最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い~帝位に興味ないですが、死ぬのは嫌なので弟を皇帝にしようと思います~
第二百十二話 心靈的依靠
「唔……」
「うう……」
蕾蒂西亞醒來時,身處一間昏暗的牢房中。
レティシアが目を覚ましたのは薄暗い牢の中だった。
雙手被從天花板吊下的鎖鏈連著,動彈不得。
両手を天井からつるされた鎖でつながれ、身動きは取れない。
朦朧的意識中,她意識到自己被擄走了,深深的絕望籠罩了心頭。
靄のかかった頭で攫われたのだと自覚し、深い絶望が心を覆う。
「我……被擄走了嗎……」
「私は……攫われたのですね……」
她並不是因為被擄而絕望,而是因為這件事發生在帝國境內而感到絕望。
攫われたことに絶望したわけではない。帝国内で攫われたことに絶望したのだ。
她原本打算不會連累任何人,為此也做了準備。
迷惑はかけないつもりだった。そのために準備もしてきた。
她本該先與帝國建立友好關係,然後在王國裡結束生命,然而結果卻變成了最糟的局面。
帝国と友好な関係を築き、その後王国内で死ぬはずだった。しかし結果は最悪のものとなってしまった。
照這樣下去,帝國和王國會陷入戰爭。
これでは帝国と王国が戦争になってしまう。
她所愛的國家,與那個自稱愛她的少年,將要彼此交戰。
愛した国と自分を愛しているといった少年が戦う。
心中倏地傳來一陣刺痛。
心にズキリと鋭い痛みが走る。
就在此時,有人對蕾蒂西亞開口說話。
そんなレティシアに声をかける者がいた。
「醒了嗎?」
「お目覚めかい?」
「唔……」
「うっ……」
聲音的主人走近,牢房裡亮起了燈光。
声の主がやってきたことで牢に明かりが灯る。
蕾蒂西亞被突如其來的光亮逼得移開視線,但在眼睛適應後,她看向聲音的來源,見到對方便露出嚴峻的表情。
突然の明かりに目をそらしたレティシアだが、目が明るさに慣れたところで声の主を見る。そしてその姿を見て険しい表情を浮かべた。
那是一名妖豔的女子,穿著暴露,嘴角帶著淡淡的笑意。
妖艶な女だった。露出度の高い服を着て、薄く笑っている。
黑色的肌膚與帶紫色光澤的銀髮——那是黑暗精靈的特徵。
黒い肌に紫がかった銀の髪。それはダークエルフの特徴だった。
「黑暗精靈怎麼會……?」
「ダークエルフがなぜ……?」
「別擺出那副嫌惡的表情。這幾天我可是一直待在妳身邊呢。」
「そう嫌そうな顔をしないでほしいね。数日間はあんたと一緒にいたんだから」
「好幾天……?難道是卡特琳娜!?」
「数日間……? まさかカトリーヌを!?」
「我殺了她,還抽走了她的記憶。雖然麻煩,但多虧如此我才能不被發覺地待在妳身邊。」
「殺したよ。記憶を抜き取ってね。手間だったけど、おかげ様で気づかれずにあんたの傍にいられた」
「可惡……」
「くっ……」
「別責怪自己。妳在帝國時,負責接待的皇族會一直貼身陪伴。就算是護衛隊長,也不會時時刻刻在妳身邊,要麼站在一旁,要麼待在房外,彼此沒有太多對話,誰會發現呢?尤其面對我的幻術時更不可能。」
「まぁ自分を責めなさんな。帝国にいるときは接待役の皇族がずっと傍にいる。護衛隊長といっても傍で立っているか、部屋の外にいるか。大して会話もないのに気付くのは無理さ。とくにあたしの幻術が相手じゃね」
話畢,黑暗精靈彈了彈指,她的身形變化,化作雷歐的模樣。
そう言ってダークエルフは指を弾く。するとその姿が変化して、レオの姿へと変わった。
偽裝成雷歐的她露出雷歐本不會做出的輕薄笑容。
偽物のレオはレオが浮かべるはずのない軽薄な笑みを浮かべる。
「我能用幻術複製曾接觸之人的容貌。能做到這麼完美地模仿,恐怕在精靈之中也只有我了。」
「触れた相手の姿をあたしは幻術でコピーできるのさ。ここまで完璧に真似できるのはエルフの中でもあたしだけだろうね」
「別用那張臉和那個聲音跟我說話……!」
「その顔と声で喋るのはやめなさい……!」
「喔喔,真可怕。妳不喜歡看到那個曾喜歡妳的男人的模樣嗎?」
「おっと、怖い怖い。自分を好いた男の姿は嫌かね?」
說罷,黑暗精靈又將身形恢復原貌。
そう言ってダークエルフは姿を元の形に戻す。
蕾蒂西亞狠狠地盯著那名黑暗精靈,但她注意到女子肩上的紋章。
そんなダークエルフを鋭く睨みつけたレティシアだったが、その女の肩に紋章があることに気づいた。
那是一個長著羽翼的書本紋章。
羽の生えた本の紋章。
蕾蒂西亞知道那代表什麼。
それがなにかレティシアは知っていた。
「魔奧公團……!?」
「魔奥公団……!?」
「答對了。我是魔奧公團的幹部,巴貝特,黑暗精靈的族長。」
「ご名答。あたしは魔奥公団の幹部、バベット。ダークエルフの族長さ」
「竟然做出這種愚蠢的事……居然動用魔奧公團來除掉我……!」
「なんて愚かなことを……魔奥公団を使ってまで私を排除しようとするなんて……!」
「不愧是聖女大人,觀察力真靈敏。主導這一切的是王國。不是早就說過了嗎?妳一點錯也沒有,錯的是王國。」
「さすがは聖女様、察しが良いね。主導したのは王国さ。だから言ったろ? あんたは何も悪くない。悪いのは王国さ」
「為了研究魔法而不惜犧牲他人的狂信者侮辱我的國家,我絕不會容許!」
「魔法を研究するためならいくらでも人を犠牲にする狂信者が我が国を侮辱することは許しません!」
「即便在這種情況下還要袒護祖國嗎?他們說可以把妳當作研究材料,所以我們才配合。換言之,妳是被出賣了。」
「この状況でも祖国の肩を持つのかい? あんたを研究材料にしていいって言うからあたしらは協力したんだよ? つまりあんたは売られたのさ」
「即便如此……那仍是我所愛的國家,這一點不會改變。」
「それでも……私が愛した国であることには変わりありません」
巴貝特嗤笑雷蒂西亞的話。
バベットはそんなレティシアの言葉を鼻で笑う。
然而,從巴貝特身後傳來一陣冷冷的掌聲。
だが、そんなバベットの後ろから乾いた拍手が聞こえてきた。
出現的是個滿臉皺紋、身形矮小的老人。披著長袍的模樣,散發出一股讓人感到陰鬱的氣息。
現れたのはしわがれた小柄な老人だった。ローブを羽織った姿は見る者を陰鬱にさせる何かがあった。
「果然是聖女啊。純潔無瑕的心靈,宛如一張白淨的畫布。」
「さすがは聖女じゃな。清廉潔白な精神。まるで白いキャンバスのようじゃな」
「你來得晚了吧,奧古斯特?」
「遅かったね? オーギュスト」
「稍微花了點時間準備啊。」
「ちょいと準備に時間が掛かっての」
「既然聖女大人也醒了,那就快點開始吧。帝國裡也有能人,拖延不了太久。」
「じゃあ聖女様もお目覚めだし、さっさと始めてくれね。帝国の中にも切れ者はいるだろうからね。足止めは長くはもたないよ」
「我知道啦。」
「わかっておるわい」
說完,被稱為奧古斯特的老人拿出了一個瓶子。
そう言ってオーギュストと呼ばれた老人は瓶を取り出す。
然後他低聲咕噥了些什麼,把那瓶子對準雷蒂西亞。
そして何事かを呟き、その瓶をレティシアに向けた。
接著無數黑色的煙團在雷蒂西亞周圍繚繞起來。
すると無数の黒い煙の塊がレティシアの周りを回り始めた。
「這是……死靈!?」
「これは……死霊!?」
「是剛才弄來的新鮮死靈啊。牠們是我用來把聖女染黑的棋子。」
「さっき取ってきた新鮮な死霊じゃよ。聖女を黒く染めるワシの手駒たちさ」
「到底想要做什麼……?」
「一体、何をしようというのです……?」
「打算把你當作依代召喚惡魔。且是極為高階的傢伙。一般來說,召喚那種大物,依代撐不住;但像你這種會使用聖杖的人,能承受得住。」
「あんたを依り代に悪魔を召喚しようと思ってね。しかもとびっきり上級な奴さ。普通ならそんな大物を召喚したら依り代が持たないけど、聖杖の使い手にもなったあんたなら耐えられる」
「你有沒有理智?如果你認為惡魔能與我共存,建議你好好再學一學。」
「正気ですか? 悪魔が私と共存できると考えているなら勉強しなおすことをおすすめします」
「我知道的。惡魔的依代要麼是新鮮屍體,要麼是精神上接近惡魔的人。不是那樣的話會有排斥反應,惡魔反而會被趕出肉體。精神上接近惡魔的,就是真正的惡人,而你正好相反。既然如此,就把你變成惡人好了。」
「わかってるさ。悪魔の依り代は新鮮な死体か精神的に悪魔に近い奴が選ばれる。そうじゃないと拒絶反応で悪魔のほうが肉体を追われちまうからね。悪魔に近い精神ってのはようは悪人だわね。そしてあんたはその対極にいる。けど、それならあんたを悪人にしちまえばいい」
「你……要做什麼……?」
「なにを……」
「我的死靈們接下來會向你展現牠們凄慘的臨死景象與不公的人生。若你承受不住、對這個世界絕望,你的身體就會成為惡魔的理想依代。而且你還會使用聖杖,真是很獨特的實驗。」
「ワシの死霊たちがこれからお前さんに自分の凄惨な死に際や理不尽な人生を見せていく。耐え切れず、この世に絶望すればお前さんの体は悪魔の依り代にぴったりというわけじゃ。しかも聖杖も使える。なかなかユニークな実験じゃ」
「……我不會屈服的。」
「……私は負けません」
「就盡你所能吧。」
「せいぜい頑張りな」
說完,巴貝特和奧古斯特離開了牢房。
そう言ってバベットとオーギュストは牢を出ていく。
在雷蒂西亞周圍盤旋的死靈之一,突然鑽入了她的體內。
そしてレティシアの周囲をぐるぐると回っていた死霊の一つがレティシアの中に飛び込む。
不知不覺,雷蒂西亞發現自己站在村莊的中央。
気づけばレティシアは村の真ん中に立っていた。
眼前是奧古斯特和一位抱著孩子的婦人。
目の前にはオーギュストと子供を抱えた女。
奧古斯特笑著,用魔法掐死婦人懷裡的孩子。婦人看見後發出絕望的哀號。
オーギュストは笑いながら女が抱える子供を魔法で絞め殺す。それを見て、女は絶望の叫びをあげた。
在盡情享受那聲哀叫後,奧古斯特低聲道。
その叫びを一通り堪能したあと、オーギュストはつぶやく。
「這也是把聖女染黑的一環。要怨就怨聖女吧。」
「これも聖女を黒く染めるための一環じゃ。恨むなら聖女を恨むのじゃな」
「等等!」
「待って!」
雷蒂西亞試圖阻止,但這近乎幻覺——眼前不過是已發生的過去。作為旁觀者的她無法阻止任何事。
レティシアが制止しようとするが、これは幻覚に近い。すでに起こった過去のことを見ているに過ぎない。傍観者であるレティシアには止めることはできなかった。
接著,奧古斯特又將那名婦人掐死。
更にオーギュストは女も絞め殺す。
然後奧古斯特從雷蒂西亞眼前消失,只剩下成了屍體的婦人和孩子。
そしてレティシアの目の前からオーギュストが消え去り、骸となった女と子供だけが残った。
雷蒂西亞面露悲痛,這時有個聲音向她響起。
悲痛な表情を浮かべるレティシアだったが、そんなレティシアに向かって声が掛けられた。
『都是你的錯……』
『あなたのせいよ……』
「這是……死靈的聲音……?」
「これは……死霊の声……?」
『所謂聖女都是假的!既然你是聖女,就讓我的孩子復活!為什麼孩子要死!?』
『聖女だなんて偽りだわ! 聖女なら私の子供を生き返らせて! なぜ子供が死ななければいけないの!?』
「……非常抱歉……」
「……申し訳ありません……」
『不需要你的道歉!為什麼會被抓走!?都是你的錯!把我和孩子那平凡的生活還給我!只要那孩子還活著就好了!』
『謝罪なんていらないわ! なぜ捕まったの!? あなたのせいよ! 返して! 私と子供のささやかな生活を! あの子さえ生きていればそれでよかった!』
每一句話都刺入雷蒂西亞的心。
言葉の一つ一つがレティシアの心に突き刺さる。
反駁其實很容易。
抗弁するのは簡単だった。
要說我也是被害者很容易,事實也確實如此。但蕾蒂西亞並沒有那樣選擇。
自分とて被害者なのだというのは簡単で、それは事実でもあった。しかしそれをレティシアは選択しなかった。
因為到了這種地步,她無法再想著要保護自己。
この後に及んで自分の身を守ろうとは思えなかったからだ。
因此蕾蒂西亞持續承受著那些彷彿永無止境的怨嗟之聲。
だから永遠と聞かされる怨嗟の声をレティシアはすべて受け止め続けた。
「妳也去死來贖罪吧!只有妳活著這種事我絕不原諒!」
『あなたも死んで償いなさい! あなただけが生きているなんて許さないわ!』
「嗯……如果妳們想要我的命,我就獻上。但……現在能不能先等我一下?」
「そうですね……私の命が欲しいなら差し出しましょう。ですが……今は待っていただけませんか?」
「果然還是惜命啊!偽善者!」
『やっぱり命が惜しいのね! この偽善者!』
「是的。我是偽善者。雖然因為使用聖杖而被稱作聖女,但我從未做過聖女該做的事。我所做的,只是為了祖國而殺掉他國的士兵,與殺人犯沒什麼兩樣。即便如此……我不想再讓更多人成為犧牲。如果妳們想要我的命,我會給。然而,若我此刻失去自我,肯定會危及許多人的生命,又會有失去孩子的母親出現。」
「はい。私は偽善者です。聖杖を使うから聖女と呼ばれていますが、聖女らしいことなど一度もしたことはありません。私がしたことは祖国のために他国の兵士を殺したことだけ。殺人者と大差はありません。それでも……これ以上の犠牲者を出したくはありません。私の命が欲しいなら差し上げます。しかし、今、私が自我を失えばきっと多くの人の命が危険にさらされます。子を失う母がまた出てきます」
「不、不行!那樣不可以!」
『だ、駄目よ! そんなこと駄目よ!』
「是的。為了那個我必須忍耐。能不能給我一點時間?為了不再讓像妳這樣帶著遺憾的人出現……請給我力量。」
「はい。私はそのために耐えねばなりません。そのために猶予を頂けませんか? あなたのように無念を抱いた人をもう生み出さないために……どうか私に力を」
說著,蕾蒂西亞輕輕抱住了浮現在眼前的黑色煙霧。
そう言ってレティシアは目の前に浮かんだ黒い煙を優しく抱きしめる。
黑色的煙霧霎時間變得潔白並閃耀起來。
すると黒い煙はたちまちのうちに白く輝いていく。
「請安詳地入睡吧……如果能度過這次難關……我也會前往那裡。」
「どうか安らかな眠りを……この難局を乗り越えたら……私もそちらに向かいます」
「……不行的……若能活下來就活著吧……然後生個孩子。替我延續生命……那就是妳的贖罪。」
『……駄目よ……命を拾えたなら生きなさい……そして子供を産むの。私の代わりに命を繋ぎなさい……それがあなたの償いよ』
「很難呢……」
「難しいですね……」
「……妳是聖女呢。真溫暖。」
『……あなたは聖女なのね。とても暖かいわ』
說罷煙霧便散去,那是蕾蒂西亞透過對話淨化並讓其往生的結果。
そう言って煙は散っていく。レティシアが対話によって浄化し、成仏させたのだ。
蕾蒂西亞並沒有與死靈決鬥,也沒有刻意自保。
レティシアは死霊と戦うことはしなかった。自らの身を守ることも。
她所做的只有對話,但為此她必須接受如地獄般的怨嗟。
ただするのは対話。しかしそのためには地獄のような怨嗟を受け入れなければいけない。
常人很快就會心志崩潰,畢竟那是精神層面的對峙,幾乎沒有時間可言。
常人ならすぐに心が折れかねない。なにせ精神の中でのこと。時間などないに等しい。
即便如此,蕾蒂西亞仍未停止面對死靈。
それでもレティシアは死霊と向き合うことをやめなかった。
她那高潔的心靈不願讓死靈在世間徘徊不去。
レティシアの高潔な精神が死霊たちを彷徨わせることを良しとはしなかったのだ。
然而那同時也在侵蝕她的心。能夠忍耐並不代表不會受傷。
しかしそれは自らの心を削ることにもつながっていた。耐えられるからといって傷つかないわけではない。
僅僅因為比起抵抗與戰鬥更好一些,蕾蒂西亞的心也逐漸疲憊下去。
抵抗し、戦うよりはマシというだけで、少しずつレティシアの心は疲弊していくのだった。
即便如此,無論被逼看見多麼噩夢般的死相,或是被怎樣的怨嗟之聲籠罩,蕾蒂西亞都不曾放棄。
それでもレティシアはどんな悪夢のような死に際を見せられようと、どんな怨嗟の声を浴びようと諦めなかった。
支撐她的並不是對祖國的愛。
それを支えるのは祖国への愛ではなかった。
蕾蒂西亞確實愛著祖國,至今仍然如此。她握起聖杖,曾希望拯救那片土地上所有的人。
レティシアは祖国を愛していた。今でも愛している。その国に住まうすべての人を救いたいと願い、聖杖を手にした。
但此刻祖國已無關緊要。
だが今は祖国は関係なかった。
因此現在支撐蕾蒂西亞的是別的東西,不是支撐她大半生命的愛,而是單純不想讓帝國遭到傷害的執念。
だから今のレティシアを支えているのは別の物だった。生涯の大部分を支えてきた愛ではなく、ただ帝国に被害を出したくないという一心がレティシアを支えていた。
而在那顆心的根底,是那個曾對她說過愛她的少年。
そしてその心の根底にいたのは自らを愛しているといった少年だった。
未回答他的求婚便淪為惡魔,去蹂躪那少年的祖國,這是她無法忍受的。
プロポーズの返事もしないまま、悪魔に成り下がり、あの少年の祖国を蹂躙するのは耐え切れなかった。
若在此成為惡魔的依代,將會成為束縛他一生的詛咒。她不願給他那樣的東西。
ここで悪魔の依り代となれば彼の一生を縛り付ける呪いになってしまう。そんなものを与えたくはない。
所以蕾蒂西亞繼續忍耐著。
だからレティシアは耐え続けた。
無論多麼痛楚,只要想起他的臉她就能撐下去。
どれだけ辛くても彼の顔を思い浮かべれば耐えられた。
她覺得讓他為她哭泣會比自己受苦更讓人難過。
彼に泣かれるほうがよほど辛いと思えた。
在替最後一個死靈度化完成後,蕾蒂西亞回到了牢房。
そして最後の死霊を成仏させ終えたレティシアは牢に戻ってきた。
渾身冒出令人不適的汗,口渴且頭痛。
体中で嫌な汗が出ていた。喉が渇き、頭が痛い。
在朦朧的意識中,蕾蒂西亞只低聲喃喃一句。
朦朧とする意識の中でレティシアはただ一言つぶやく。
「……里奧……」
「……レオ……」
曾有人說需要那個不是聖女的我。到底多久沒聽過那樣的話了呢?
聖女ではない自分を必要と言ってくれた。そんなことはいつぶりだっただろうか。
五年前,初次相遇時她只把他當作他國的皇子。
五年前、出会ったときは他国の皇子としてしか見ていなかった。
但現在不一樣了。
しかし今は違う。
笑容、言語與這數日的回憶緊緊支撐著雷蒂西亞。
笑顔が、言葉が、数日の思い出がレティシアを強く支えていた。
不能就此結束。
ここで終わるわけにはいかない。
必須守護這片土地——還有雷歐。
この地を――レオを守らなければいけない。
雷蒂西亞重新下定決心,抬起了視線。
そう決意を新たにしてレティシアは視線を上げる。
正好巴貝特和奧古斯特回來了。
ちょうどバベットとオーギュストが戻ってきたところだった。
「怎麼樣?狀況如何?」
「どうだい? 調子は?」
「嗯?死靈消失了……!?」
「む? 死霊が消えている……!?」
「這是怎麼回事?」
「どういうことだい?」
「不敢相信……剛死沒多久、滿載怨念的死靈……竟然被超度了……!?」
「信じられん……死したばかりで怨嗟の塊の死霊を……成仏させたじゃと……!?」
「我……不會輸的……」
「私は……負けません……」
「哈哈哈!!這可真不錯,超出預期了。奧古斯特,認真點。照這樣下去,也許真能召喚出魔王級的惡魔喔」
「はっはっは!! これはいいね。想像以上だ。オーギュスト、本腰をいれな。これなら本当に魔王クラスの悪魔を呼び出せるかもしれないよ」
「我知道啦。真是的……不如就把我珍藏的死靈們釋放出來吧?」
「わかっておるわい。まったく……ワシの秘蔵の死霊たちを解き放つとするかのぉ」
奧古斯特這麼說著,取出幾個瓶子。
そう言ってオーギュストはいくつかの瓶を取り出す。
那股不祥之感遠非剛才所能比擬。
その禍禍しさはさきほどの比でなかった。
「好了,我要去別動隊那裡了,其他的就拜託你們了?」
「さて、あたしは別動隊のところに行く。あとは任せたよ?」
「真忙碌啊。不想看看聖女墮落的瞬間嗎?」
「慌ただしいのぉ。聖女が黒くなる瞬間を見たくないのかのぉ?」
「我倒是有興趣。不過萬一帝國來搗亂就麻煩了。再怎麼急,他們也不會馬上到來,但不管怎樣還是要做足準備。」
「興味はあるんだがね。万が一にでも帝国に邪魔はされたくはないのさ。どんだけ急いだって、すぐには来たりはしないだろうけどね。それでも備えは必要さ」
說罷巴貝特便離開牢房。
そう言ってバベットは牢を出ていく。
接著奧古斯特興高采烈地把死靈指向雷蒂西亞。
そしてオーギュストは愉快そうに死霊をレティシアに差し向けていく。
痛苦的哀號與咬牙聲從雷蒂西亞口中迸發出來。
「ぐっ……! くぅぅ!!」
那一幕甚至讓剛才的景象顯得溫和。
それはさきほどの光景が甘いとすら思える光景だった。
那些死靈在被殺害時,被刻意安排讓他們對這個世界留有未了的牽掛與仇恨。
できるだけこの世に未練が残るように、この世に憎悪を抱くようにして殺された死霊たち。
奧古斯特所稱的珍藏果然不同凡響,那等怨恨不是只靠交談就能超度的。
オーギュストが秘蔵というだけあり、その怨嗟は対話だけで成仏させることができるモノではなかった。
雷蒂西亞只能忍耐,不知過了多久。
レティシアはただ耐えることしかできず、そしてどれほどの時間が経っただろうか。
她甚至連自己身在何處都變得模糊,內心疲憊到幾乎想捂住耳朵不聽那些死靈的聲音。
自分がどこにいるのかすら曖昧になり、死霊の声に耳をふさいでしまいたいほどレティシアの心は弱っていた。
即便如此,雷蒂西亞仍竭力保持著自我。
それでもレティシアは必死に自分を保ち続けた。
她不停地想著雷歐,反覆告訴自己並非孤單。雷蒂西亞在那道最後防線上苦撐時,奧古斯特打算再增援更多死靈。
ただただレオのことを想い、自分は一人ではないと言い聞かせる。そうやってレティシアが最後の一線で耐えている中、オーギュストはさらに死霊を追加しようとする。
然而,就在那一瞬間。
だが、その瞬間。
牢房上方傳來一陣巨響。
牢の上で大きな物音がした。
「嗯?發生什麼事了?」
「ん? 何事じゃ?」
「襲擊來了!」
「しゅ、襲撃です!」
「襲擊!?別胡說!這裡是把帝國的村莊改造成的藏身處!怎麼可能被發現!」
「襲撃じゃと!? 馬鹿を言うな! ここは帝国の村を改造した隠れ家じゃぞ! 見つかるはずがあるまい!」
奧古斯特邊說邊朝手下大聲吼叫。
オーギュストはそう言って部下を怒鳴りつける。
如果把藏身處設在顯眼的地方,就會引起帝國的注意。
目立つような場所を隠れ家にすれば帝国の目につく。
因此,奧古斯特等人把一個村莊改造成藏身處。最先被派去對付雷蒂西亞的死靈,正是那村子的居民。
それゆえ、オーギュストたちは村を一つ改造して隠れ家としていた。最初にレティシアに差し向けられた死霊たちはその村の住人だったのだ。
不可能被識破的偽裝。
バレるはずのないカモフラージュ。
正因為對此深信不疑,奧古斯特才斷然否定這可能性。
それに自信があったからこそ、オーギュストはありえないと否定した。
然而,下一刻。
だが、次の瞬間。
但當他看到那個像滾進來般闖入此處的人,不得不承認。
転がるようにしてこの場に乗り込んできた人物を見て、認めざるをえなかった。
「竟然是雷奧納爾特皇子!?」
「レオナルト皇子じゃと!?」
「把蕾蒂西亞還給我!」
「レティシアは返してもらう!」
說罷,雷奧毫不猶豫地斬倒了奧古斯特的手下,衝向奧古斯特。
そう言ってレオは躊躇わずオーギュストの部下を斬り伏せ、オーギュストへと向かっていったのだった。