最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い~帝位に興味ないですが、死ぬのは嫌なので弟を皇帝にしようと思います~
第七話 天敵竟是勇者
「真是麻煩了呢」
「厄介なことになりましたな」
「的確。這次的事對我們來說可是大危機啊」
「まったくだ。今回の一件、俺たちにはピンチだぞ」
隔天一早,我立刻把塞巴斯和菲妮叫到房間裡召開作戰會議。
次の日の朝。さっそくセバスとフィーネを部屋に招いて作戦会議を開いた。
塞巴斯似乎已經看出事態的嚴重性。
セバスはさすがに事態の深刻さを理解しているらしい。
「危機?我倒覺得是個機會……騎士是由陛下公平分配的,而且雷歐大人的優秀,阿爾大人應該最清楚不是嗎?」
「ピンチ? チャンスだと思うのですが……騎士は陛下が平等に割り振るわけですし、レオ様の優秀さはアル様が一番知っているのでは?」
「唉……」
「はぁ……」
「剛才那個嘆息是在嘲弄我吧!?我當然看得出來!」
「い、今のため息は馬鹿にしていますね!? さすがにわかります!」
對著嚷嚷的菲妮,我不得已開始說明。
喚くフィーネに仕方なく俺は説明を開始する。
其實,菲妮的想法並非全錯,只有一半是對的。
実際、フィーネの考えは間違ってない。半分だけ合っている。
「這次的事既是機會,也是危機。機會在於雷歐有可能成為全權大使;危機則是,如果三名對手中的任何一人成為全權大使,我們好不容易看到的那一線希望就會遠去。儘管我們是第四勢力,但仍遠遠比不上另外三人。就算三人之中有人成為全權大使,另外兩人也能設法追上,但我們沒有那樣的實力。除非發生巨大的異變,否則我們恐怕會在皇位爭奪中被淘汰。」
「今回の一件、チャンスでもあるが、同時にピンチでもあるんだ。チャンスというのは、レオが全権大使になる可能性があるってところだ。ピンチっていうのは、ライバルである三人のだれかが全権大使になると俺たちはやっと見えた背中が遠のくところだ。第四勢力とはいえ、まだまだほかの三人には及ばない。三人のうちの誰かが全権大使になったとしても、ほかの二人はどうにか食らいつけるが、俺たちはそこまでの地力はない。よほどの異変が起きないかぎりは帝位争いから脱落することになるだろうな」
「那、那是這樣嗎!?太糟了!必須趕緊想辦法!」
「そ、そうなのですか!? た、大変です! 早くなんとかしなくては!」
菲妮慌張得手忙腳亂地從椅子上站起來,在房間裡來回踱步。
あわわといって慌て始めるフィーネは椅子から立ち上がって部屋の中をうろつく。
我沒理會她,反而向塞巴斯詢問。
それを放っておいて俺はセバスに訊ねる。
「情報都蒐集好了嗎?」
「情報は集まったか?」
「並不多。騎士團也是昨天才被告知而已。這件事幾乎是由皇帝陛下與他的側近們決定的吧。」
「あまり多くはありませんな。騎士団も昨日聞かされたばかりだそうです。ほぼ皇帝陛下と側近の方々だけで決められたのでしょう」
「那樣的話要耍小手段就更難了。勝負恐怕得靠候選人的實力與運氣了……」
「そうなるといよいよもって小細工は難しいな。勝敗の行方は候補者たちの実力と運次第か……」
能否遇到稀有魔物,真的是靠運氣。
レアモンスターに出会えるかどうか。これは本当に運となる。
再怎麼有實力,若沒有機會發揮也毫無意義。
どれだけ実力があっても発揮する機会がなければ意味がない。
「還有一個消息。騎士團預測舉辦地會是帝國東部。」
「もう一つ情報が。騎士団の予想では開催地は帝国東部だそうです」
「東部?為什麼?」
「東部? どうしてだ?」
「因為東部是受魔物侵害最嚴重、冒險者討伐趕不上的地區。另外其他地區已派出騎士隊,只有東部還沒動手。」
「東部が最もモンスターの被害が甚大で、冒険者の討伐が追い付いていない地域だからだそうです。また、そのほかの地域には騎士隊が派遣されていますが、東部だけは手付かずなのだとか」
「竟然故意留下東部作為祭典場地?確實,如果是父上,他說不定會這麼做。」
「あえて残して東部を祭りの開催地にするか。たしかに父上ならやりかねないな」
畢竟不可能在帝國全境獵殺魔物,原本就會選定某處——竟然是東部。受魔物侵襲的地區一旦成為祭典中心,會吸引觀光客帶來熱鬧,也會利於復興。
さすがに帝国全土でモンスターを狩るわけにもいかないし、どこかに絞るだろうとは思っていたが、東部か。モンスターで被害を受けた地域も祭りの中心となれば観光客などで賑わう。復興も容易になるというわけだ。
倒也真是父上的作風啊。
父上らしいといえば父上らしいな。
「大概流程是騎士們會在東部連日討伐魔物,各騎士隊從其中選出一隻自信之作交由皇帝陛下鑑定以決定優勝者。消息已傳開了,商人也開始湧向東部。」
「流れとしては東部で騎士たちが数日にわたってモンスターを狩り、その中で自信の一体を各騎士隊が選抜。それを皇帝陛下がお確かめになり、優勝者を決めるそうです。すでに話は広まり、東部に商人が流れ始めているとか」
「這是商機,商人絕對不會放過。祭典規模恐怕會變得相當龐大……各地有力者也會來觀賞,會變得很棘手。」
「商売のチャンスだからな、商人は逃さないだろうさ。これは祭りの規模もデカくなるな……各地から有力者も見物に来るだろうし、厄介なことになるぞ」
「阿、阿爾大人!我想到一個作戰計畫了!」
「ア、アル様! 作戦を思いつきました!」
「先聽你說說看。」
「聞くだけ聞こう」
菲妮拍了拍手,舉手請求發言。
フィーネがポンと手を叩いたあとに挙手して発言を求めてきた。
雖然不能抱太大期望,但不聽又可惜。菲妮只是沒那麼擅長謀略,並不是笨蛋。
期待できないが聞かないのももったいない。フィーネは策謀には向いていないだけで馬鹿ではない。
也有可能會想到什麼妙計。
なにか妙計を思いつく可能性も。
「阿爾大人若能拿下第一名就好了!」
「アル様が一位になればいいと思います!」
「我剛才那一點點期望真是太傻了……」
「ほんのちょっとだけ期待した俺が馬鹿だった……」
「菲妮大人,阿爾諾特大人必須演出無能。現在若突然嶄露頭角反而太不自然了。」
「フィーネ様。アルノルト様は無能を演じなければいけません。ここでいきなり頭角を現してはさすがに不自然です」
「啊,對了……不過、除此之外真的就沒有更確實的辦法了嗎……?」
「あ、そうでした……で、ですがそれ以外に確実な道はないのでは……?」
如同菲妮所言,我拿第一名是最可靠的。畢竟席爾瓦會參加。其他候選人,當然連騎士們都不是對手。
フィーネの言う通り、俺が一位になるのが一番確実だ。なにせシルバーが参加しているんだ。ほかの候補者はもちろん騎士たちだって相手にはならない。
但那麼做會讓我們失去王牌,也會讓讓雷歐成為皇帝變得更困難。如果把我推上去,還會分散掉寶貴的票源。
だが、そんなことをすればこっちは切り札を失うし、レオを皇帝につけるのも難しくなる。俺が担ぎ出されたりすれば貴重な票を分けることにもつながる。
無論怎麼想都是壞招。
どう考えても悪手だ。
「要想想其他的手段。」
「それ以外の手を考えるぞ」
「不過,在這種情況下我們幾乎沒有可採取的手段。其他三位或許能誘導稀有魔物到東部,或事先掌握稀有魔物的位置,但要做到這些我們缺乏人手。」
「ですが、この状態から我々に打てる手はほとんどありません。ほかのお三方ならば東部にレアモンスターを誘導する、もしくはレアモンスターの位置を把握しておくといった手も使えるでしょうが、それをするには我々には人材が足りません」
「知道。他們肯定也會那樣做。我們也能做類似的事。由我以銀級冒險者的身分把怪物驅趕到東部就好」
「わかってる。向こうは必ずそれをしてくるのもな。似たようなことはできる。俺がシルバーとしてモンスターを東部に追い込めばいい」
「不、不行!那種事不行!」
「だ、駄目です! そんなこと!」
菲妮最先反對了我的提案。
俺の案にフィーネが真っ先に反対した。
我和塞巴斯對她的反應苦笑了起來。
その対応に俺とセバスは苦笑する。
果然還是個像里奧那樣的孩子啊。
やっぱりレオみたいな子だな。
「沒錯。如果那麼做,祭典開始前東部的民眾會繼續遭受損害。所以我們不會做那種事。里奧也絕對不會同意的」
「そうだ。そんなことをすれば祭りが始まるまで東部の民が被害を強いられる。だから俺たちはそんなことはしない。レオもそんなことは絶対に認めないだろう」
就個人情感而言,這是我絕對不想做的計畫。以冒險者的自尊,我不願意去做。但若真到了不得不做的地步,或許會去做。現在並非如此。若除了里奧之外所有候選人都會成為暴君,那另當別論;但目前被牽扯到的也不過是我、里奧和母親的性命。總不能為了自保或護住親人,就讓百姓受苦吧。
個人的な感情でいえば絶対にやりたくない作戦だ。冒険者としての矜持にかけてやりたくはない。だが、しなければいけないならするかもしれない。しかし今は違う。レオ以外の候補者が全員暴君になるというなら話は別だが、今のところかかっているのは俺やレオ、そして母の命くらいだ。さすがに我が身や親族の身可愛さに民を苦しめるわけにはいかない。
「是這樣嗎……真是太好了」
「そうですか……よかったです」
菲妮像是鬆了一口氣,接著突然驚醒般低下頭來。
ホッとしたようにフィーネは息をつく。そして、すぐにハッとして頭を下げてきた。
「又、又說了輕率的話……!非常抱歉!阿爾大人絕對不會做那種事的!」
「ま、また軽率なことを……! 申し訳ありません! アル様がそんなことするわけがないのに!」
「沒關係。你就把想說的說出來吧。你的意見向來是正確的」
「いいさ。君は思ったことを言えばいい。君の意見は常に正道だからな」
「那是什麼意思……?」
「どういう意味ですか……?」
「也就是說,我喜歡不加矯飾的菲妮大人」
「そのままのフィーネ様がお好きだという意味ですよ」
「什、什麼!!」
「ま、まぁ!!」
雖然不是我說的,但菲妮還是用雙手捂住通紅的臉。
俺が言ったわけでもないのに、フィーネは赤くなった顔を両手で押さえる。
她愛害羞無妨,但剛才那句是塞巴斯說的,絕對不是我的話。
照れるのは勝手だが、今のはセバスが言ったことだ。断じて俺の言葉ではない。
「我可不記得有說過喜歡啊?」
「好きといった覚えはないんだが?」
「那你討厭她嗎?」
「ではお嫌いですか?」
「不、不是那樣的……」
「いや、それは……」
「那就當作你喜歡她吧。真是太好了呢,菲妮大人」
「では、お好きということで。よかったですな。フィーネ様」
「是!」
「はい!」
看著菲妮滿臉的笑容,我的銳氣瞬間全消了。
満面の笑みを浮かべるフィーネを見て、俺は毒気を抜かれた。
結果那天沒想出好方案,大家各自帶回去再思考。
結局、その日は良い案が浮かばずに各自持ち帰って考えることとなった。
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隔天,我以銀級冒險者的身分接了個委託。
次の日、俺はシルバーとして依頼を受けていた。
因為冒險者公會通知說接到一個高等級的委託。
高ランクの依頼が入ったと冒険者ギルドから連絡を受けたからだ。
我一個月要出動兩次是極為罕見的事。看來帝國裡大量出現怪物的傳聞是真的。
月に二度も俺が動くことなんてこれまでほとんどなかった。帝国にモンスターが大量発生しているのは本当みたいだ。
話說回來,也還不到會讓像我這種SS級冒險者難以應付的程度。出現的是一隻赤色的刻耳柏洛斯。牠異常強悍,已讓許多冒險者吃了敗仗,被公會指定為懸賞目標。等級為AAA級,和之前我討伐過的米諾陶洛斯王是同一檔次。
まぁとはいえSS級冒険者の俺を手こずらせるほどのモンスターが現れたわけじゃない。現れたモンスターは赤いケルベロス。やたら強く、多くの冒険者を返り討ちにしている個体であり、ギルドから賞金首に指定されている。ランクはAAA級。以前倒したキング・ミノタウロスと同じレベルだ。
刻耳柏洛斯本身是稀有怪物,並非帝國原生種。牠也是從冒險者那裡逃走,闖入帝國的。
ケルベロス自体、レアモンスターであり帝国に生息しているモンスターではない。こいつも冒険者から逃げてきて帝国に入りこんだモンスターというわけだ。
心裡暗想這種忙碌時期別闖進來,然後我便迅速討伐了那隻刻耳柏洛斯。
この忙しい時期に帝国に迷い込んでくるなよと思いつつ、俺はそのケルベロスをさっさと討伐した。
果然不是一擊就能致命,但我連續施放了大約三發魔法後牠便斃命了。最後一擊幾乎將軀體摧毀殆盡,只剩獠牙還在,所以我便把那顆牙帶回當作證據。
さすがに一撃では死ななかったが、三発ほど魔法を叩き込んだら絶命した。最後の一撃によって体はほぼ残ってなかったが、牙が残っていたのでそれを証拠として持ち帰ることにした。
正在做這些冒險者該做的事時,稍遠處有支騎馬隊朝這邊疾馳而來。
そんな冒険者らしい作業をしていると、少し離れたところから騎馬隊がこちらに向かってきた。
他們速度相當快。是哪一隊騎兵?附近的領主應該已接到公會通知,知道有銀級冒險者前往討伐刻耳柏洛斯……
かなり速度を出している。どこの騎馬隊だ? この近くの領主にはギルドからシルバーがケルベロスの討伐に向かったと知らされているはずだが……。
「那邊的人!剛才的爆炸是你引起的嗎?」
「そこの人! さきほどの爆発はあなたの仕業?」
「就算是,那又怎樣?你先自報姓名吧?」
「だったらなんだ? まずは名乗ったらどうだ?」
我一邊回頭回答從背後傳來的質問,一邊把獠牙收好,轉向騎馬隊。
背中ごしにきた質問に答えながら俺は牙を回収して、騎馬隊のほうを振り向く。
然後我僵住了。
そして硬直した。
因為站在那裡的人出乎意料。
そこにいたのは予期せぬ人物だったからだ。
「……!?」
「……!?」
騎在馬上的,是一位美得讓人一驚的少女。
馬に乗っていたのはハッとするほど美しい少女だった。
一頭櫻色長髮,翡翠般的瞳孔。筆直的背脊與堅定的目光,既流麗又充滿力量,讓人聯想到一柄優雅而有力的長劍。
長い桜色の髪に翡翠の瞳。真っすぐ伸びた背筋と強い眼差しは流麗にして力強い剣を思わせる。
我認得那個少女,非常熟悉。
俺はその少女のことを知っていた。よぉく知っていた。
這幾年幾乎沒有來往,光靠聲音聽不出來,但一看到她的身影就立刻認出。說真的,在這個帝國,櫻色長髮配翡翠眼眸的組合只有一個家族擁有。
ここ数年はまったく関わりがなかったため、声だけでは気づかなかったが姿を見ればすぐわかった。というか、この帝国において桜色の髪と翡翠の瞳の組み合わせといえば一つの家しかない。
「我是近衛騎士團所屬、第三騎士隊隊長艾爾娜·馮·阿姆斯貝爾格。聽到有關『克爾貝洛斯』的通報才來到這裡,不知道是你將牠討伐了嗎?」
「私は近衛騎士団所属、第三騎士隊隊長のエルナ・フォン・アムスベルグよ。ケルベロスの知らせを聞いてやってきたのだけれど、もしかしてあなたが討伐したのかしら?」
阿姆斯貝爾格。
アムスベルグ。
只要一聽到那個名字,周邊諸國便會顫抖。
その名を聞いただけで周辺諸国は震えあがる。
她是五百年前討伐震撼大陸的魔王的勇者的血脈。
五百年ほど前に大陸を震撼させた魔王を討伐した勇者の血筋だ。
魔王被討伐後,當時的皇帝極力想留住勇者,但勇者說不要公爵、侯爵或伯爵的封號,拒絕了賞賜,打算繼續出發旅行。皇帝於是想出一計,授予大陸唯一的爵位以讓勇者留在帝國。
魔王討伐後、時の皇帝はなんとか勇者を帝国に引き留めたいと願ったが、勇者は公爵も侯爵も伯爵の地位もいらないと言って、褒美を断って旅に出ようとした。そんな勇者に皇帝は一計を案じて、大陸唯一の爵位を与えることで帝国に留まらせた。
那個名號是『勇爵家』。在帝國貴族中位列最上,其當主的地位被視為高於皇子,實際上除了皇帝之外無人能使其屈膝。
その名は〝勇爵家〟。帝国貴族の中では最上位であり、その当主の格は皇子より上とされ、実質的に皇帝以外に膝をつくことはない。
但沒有人會對這種待遇抱怨。因為這個家族數百年來持續取得配得上甚至超越這份破格待遇的戰功。
だが、だれもその待遇に文句は言わない。その破格の待遇に相応しい、いやそれ以上の戦果を数百年に渡ってあげ続けている家だからだ。
帝國的守護者──被如此評價的『阿姆斯貝爾格勇爵家』的繼承女就是這位艾爾娜。
帝国の守護者。そう評される〝アムスベルグ勇爵家〟の跡取り娘がこのエルナだ。
而且她小時候在我被欺負時雖然出手相助,卻又罵我軟弱、膽小,對我施以斯巴達式的鍛鍊,種下了對她的苦手意識。敢說,那根本就是霸凌。
そして幼い頃、イジメられる俺を助けては軟弱、弱虫といってスパルタ教育を施し、苦手意識を植え付けた天敵でもある。あえて言おう、あれこそイジメだったと。
因為那份畏懼我不由得後退了一步,一時說不出話來,但很快想起現在戴著銀色面具掩蓋真面目,便收拾心情。
その苦手意識から俺は一歩後ずさり、すぐに声が出なかったが今は銀の仮面で素顔が隠れていることを思い出して気を取り直す。
沒錯,現在的我不是阿爾諾特,而是西爾弗。
そうだ、今の俺はアルノルトではなくシルバーなんだ。
就算是艾爾娜也不足為懼!
エルナといえど恐れるに足らず!
「看不出來嗎?勇爵家的大小姐似乎視力不太好呢?」
「見てわからないのか? 勇爵家の御令嬢はあまり目がよろしくないようだな」
「你說什麼……?」
「なんですって……?」
『啊……。』
あ……。
『糟、糟了——!?』
し、しまったー!!??
多年來的鬱結一湧而出,我竟然不自覺地變成了挑釁的口吻!?
長年の鬱積でつい煽り口調になってしまった!?
『糟糕!!』
や、やばい!!
「憑你這打扮,該不會就是SS級冒險者西爾弗吧?稍微有點成就就變得相當得意了呢?」
「その恰好から察するにあなたがSS級冒険者のシルバーかしら? 少し活躍しているだけで随分と調子に乗っているようね?」
艾爾娜微微一笑。
ニコリとエルナは笑う。
但我知道,艾爾娜常常一邊笑著一邊生氣,那笑容裡帶著怒意。
だが俺は知っている。エルナはよく笑いながら怒る。あれは怒っている笑みだ。
糟、糟糕……。和艾爾娜起衝突沒有任何好處,現在只能想辦法巧妙地應付過去……。
ま、まずいぞ……。エルナと事を構えることに得なんてない。ここは上手く誤魔化すしか……。
「你一直盤踞在帝都,最近還被稱為帝都的守護者?這是在向我們阿姆斯貝爾格家發出挑戰狀嗎?」
「帝都に居座り続けて、最近じゃ帝都の守護者なんて言われているようね? それはあれかしら? 我がアムスベルグ家への挑戦状ということでよいのかしら?」
「所謂帝都的守護者不過是民間的說法,我可沒有自稱。而且我對帝國守護者這等稱號並不感興趣,放心吧。」
「帝都の守護者というのは民が言っているだけだ。俺が名乗ったわけじゃない。それに帝国の守護者という異名にも興味はない。安心しろ」
『好、好。這、這樣行了吧。』
よ、よし。こ、これでどうだ。
我在努力表明自己不是敵人……。
俺は敵じゃないというアピールに……。
「你是說我們阿姆斯貝爾格家會為了這種小小的稱號耿耿於懷嗎?還是說根本不把我們放在眼裡?不管哪種,剛剛那句也是挑釁吧?」
「我がアムスベルク家が小さな異名に拘ってると言いたいのかしら? それともそもそも眼中にないと言いたいのかしら? どっちにしろ、今のも挑発よね?」
『啊——!?』
あー!!??
完了!第一印象太糟,無論說什麼都會被誤解!況且艾爾娜超級不服輸。只要被人挑釁一次,她就會把對方打個落花流水,直到徹底勝利才會罷休。
もうダメだぁ! 最初の印象が悪すぎて何を言っても悪く取られてしまう! そもそもエルナはスーパー負けず嫌いだ。一度でも喧嘩を売られたら相手を叩きのめし、完全勝利するまで満足しない。
『可惡!既然如此!』
くっ! こうなったら!
就把多年鬱悶一舉發洩掉吧。看來已經無法建立友好關係了。
長年の鬱憤を晴らしてしまおう。もはや友好関係を築くのは不可能みたいだし。
我豁出去了,對艾爾娜嗤之以鼻地冷笑。
開き直った俺はエルナを鼻で笑う。
「哼,看來你對我相當在意啊。勇爵家似乎把名聲看得特別重要,連別人被稱讚都不能容忍,真小家子氣。」
「ふっ、どうやら君はかなり俺のことを意識していたようだな。勇爵家はよほど名声が大事と見える。誰かが称賛されるのも許せぬとは小さいことだ」
「什、什麼!?你這個——!對我家無禮休想饒恕!」
「なっ!? このっ! 我が家への無礼は許さないわ!」
「無禮的是你吧?我是接受公會委託來討伐這隻魔物的。剛才聽你說如果不是我來討伐,你會去狩獵,那豈不是明顯在挑釁冒險者公會嗎?」
「無礼はそちらでは? 俺はギルドからの依頼を受けて、このモンスターを討伐していた。しかし、俺が討伐していなければ君が狩るつもりだったと先ほどの言葉は聞こえるが? それは明確な冒険者ギルドへの挑発では?」
「我不是那個意思!我只是為了百姓著想!」
「そんなつもりじゃ! ただ私は民を思って!」
「隊長,請退後。儘管資訊有誤會,但既然冒險者公會已有委託,那責任在我們。此外還必須立即趕回帝都。」
「隊長。ここはお下がりを。情報の行き違いがあったとはいえ、冒険者ギルドから依頼が出ていたとなれば非は我らにあります。それに帝都に急がねばなりません」
「可惡……!西爾瓦!記住這點!保護帝國的是我們勇爵家、騎士與士兵們!絕對不是冒險者!」
「くっ……! シルバー! 覚えておきなさい! 帝国を守るのは我が勇爵家であり、騎士たちであり、兵士たちよ! 決して冒険者ではないわ!」
「先記著吧,不過說不定很快就會忘掉。」
「一応覚えておこう。すぐ忘れるかもしれないがな」
「可惡……!」
「このっ……!」
看著氣得差點爆發就離去的艾爾娜,我一邊想著『糟了,我好像做過頭了』,一邊因為終於發洩多年鬱悶而感到非常暢快。
激昂寸前で去っていくエルナを見て、俺はやってしまったーと思いつつ、長年の鬱憤を晴らせて非常に晴れやかな気分だった。
艾爾娜在十一歲就加入近衛騎士團,是天才中的天才。因為經常被交付重要任務,自從成為騎士後幾乎沒怎麼見過面。即便偶爾見到也沒時間,頂多聊個幾句。
エルナは十一歳で近衛騎士団に入団した天才中の天才だ。重要任務を任されることが多いため、騎士になってからはほとんど会っていなかった。たまに会っても時間がないため、少し会話があるかどうか程度。
不過,我竟然能把那個艾爾娜拿捏住。真爽!我很能理解被欺負的孩子向欺凌者復仇時的心情。
しかし、そのエルナを手玉にとれた。いやぁ気分がいい! いじめっ子に復讐するいじめられっ子の気分がよくわかる。
「不過,我還是多了個不必要的敵人……」
「余計な敵を作ったことに変わりはないけど……」
『我到底在幹什麼……』
なにやってんだ、俺は……。
要是因此和阿姆斯貝爾克勇爵家為敵,那可就完全是我的錯了……
これでアムスベルク勇爵家と敵対したら完全に俺のせいだぞ……。
「真是麻煩啊……」
「まいったなぁ……」
我抓了抓頭,暫且踏上回家的路。
頭をかきながら俺はとりあえず帰路につくのだった。