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戦国小町苦労譚

一五七九年 十一月中旬

「中國大返し」

『中国大返し』

那是史實上在與毛利氏交戰時的羽柴秀吉,在得知其主君信長的訃聞後所進行的戰國時代屈指可數的大行軍。

それは史実に於いて毛利氏との交戦中であった羽柴秀吉が、主君である信長の訃報を知ってから行った戦国時代屈指の大行軍である。

從獲得情報到出發短短十日之內,他率領總數達兩萬人的大軍,沿直線行進踐踏了長達兩百二十公里的距離。

情報を得てから僅か10日という短期間に、総勢2万人にも及ぶ大軍を引き連れ直線にして220キロメートルもの距離を踏破せしめたのだ。

現代人的感覺或許會覺得花十天只走兩百二十公里微不足道,但若把這視為背負平均五十公斤裝備的兵士徒步移動的距離,就能理解其難以想像的程度。

現代人の感覚で言えば10日も掛けてたった220キロメートルと思うかも知れないが、平均50キログラムもの装備を背負った兵士が徒歩で移動した距離だと考えると想像を絶することが判るだろう。

實際上因為與毛利方的和睦及行軍準備等耗時,實質上是在五天內完成兩百二十公里的行程,隔日便在京的山崎與敵交戰。

実際には毛利方との和睦や行軍準備等の期間があり、実質5日で220キロメートルを踏破した上に翌日には京の山崎にて合戦を行っているのだ。

能實現這等軍事行動有諸多原因,但主要是因為事前為請信長出陣所做的準備發揮了極大作用。

これ程の軍事行動を実現できたのには様々な理由が存在するが、大きくは信長の出陣を依頼していたための事前準備が大きかったと言われている。

秀吉在與毛利決著已在眼前時,事先請求作為主君的信長出陣,並在行軍路線上的各據點準備充足物資以讓信長能舒適行進。

毛利との決着が視野に入っていた秀吉は、決着を前に主君たる信長の出陣を要請し、信長が快適に過ごせるよう行軍経路上の各拠点に充分な物資を用意させていた。

據說正是逆向沿著這些準備好的據點前進,才能在補給保障下移動大軍。

これを逆に辿ることによって大軍を補給させながら移動することが出来たと言われている。

秀吉以爬行般的疲憊狀態抵達京城的一報,立刻被送至信長之所。

秀吉が這(ほ)う這うの体(てい)で京へと辿り着いた一報は、すぐさま信長の許へと届けられた。

起初大家以為途中發生了不可測事件、遭遇險難,但當詳情傳至信長時,他忍不住破顔而笑。

当初は道中に不測の事態が発生し、遭難をしていたのかと考えたのだが詳細が知らされると信長は堪らず破顔してしまった。

秀吉在與毛利達成和議後,立刻讓軍師兩兵衛(指竹中半兵衛與黑田官兵衛)思索返京的具體策劃。

秀吉は毛利との和睦を成し遂げると、即座に京へと引き返す算段について軍師である両兵衛(竹中半兵衛と黒田官兵衛の二人を指す呼称)に模索させる。

但秀吉因與毛利講和耗時而從一開始就已落後,陷入難以挽回的致命局面。

しかし毛利との講和に時間を掛けてしまった秀吉は初手から出遅れてしまっており、挽回不能な致命的な状況に陥っていた。

在此情況下,最快到達京都的路線便是乘船經瀨戶內海,然後自堺港起沿陸路直奔京師的既定路線。

この状況下で最も早く京へと辿り着くには瀬戸内海を船で移動し、堺港から陸路で京へと向かうのが鉄板のルートである。

然而不幸的開始在於港灣及海運的運作掌由靜子及其薰陶下的組織負責。

しかし港湾及び海運の運行を静子及びその薫陶を受けた組織が担ったことが秀吉の不幸の始まりだった。

他們嚴守公正且有秩序的運營,即便是西國征伐的功臣凱旋也不會有任何特別的照顧。

彼らは公正かつ秩序だった運営を厳密に守っており、西国征伐の功労者が凱旋(がいせん)するといっても一切の忖度(そんたく)などしてくれなかった。

既已開始撤退的明智軍,以及不巧從土佐回航的足滿佔用了大量船運,結果秀吉能使用的船班最早也要等兩週以後。

既に撤退を始めていた明智軍や、折悪く土佐から戻る足満が多くの船便を押さえてしまったため、秀吉が利用できる船便は最も早くて二週間後という有様となってしまった。

此時秀吉無法忍受在西國征伐上被本應大幅領先的光秀甩在後頭,於是他與兩兵衛面對面商議,打算進行無謀的挑戰。

ここにきて西国征伐で大きく水を開けたはずの光秀に対して後塵を拝することが秀吉には我慢ならず、彼は両兵衛と頭を突き合わせて無謀な挑戦を試みることとなる。

那是打算走在西國征伐中貫通的中國山地越道,移至日本海一側,搭船到達京近的舞鶴港後再沿陸路趨向京都的計畫。

それは西国征伐にて開通した中国山地越えルートを通って日本海側へと移動し、船便にて京の舞鶴港まで達した後に陸路で京を目指すというものだ。

顯然是繞遠路,且甚至無法確保充分安全的豪賭行動。

明らかに遠回りな上に、充分な安全すら確保されないという博打に打って出ることになった。

首先兩兵衛順利地派出最快的驛馬給當時正沿該路線行軍的福島正則,並請他在途中的各據點準備補給。

まず両兵衛は折よくその経路を移動中であった福島正則に早馬を派遣した。そして彼に経路上の各拠点での補給が可能となるよう準備を依頼する。

福島為了歸還在西國征伐中自靜子軍所借的各項裝備,與秀吉面臨同樣情況而避開擁擠的瀨戶內海,選擇了日本海路線。

福島は西国征伐に於いて静子軍より貸与されていた各装備を返却すべく、秀吉と同じ事情で混雑していた瀬戸内海を避けて日本海ルートを選択していた。

當秀吉的驛馬抵達正在越山後大休止的福島處,了解情況後,福島便為了盡速將其主君送往京城而奮起努力。

山越えを果たして大休止を取っていた処へ秀吉からの早馬が着き、状況を把握した福島は己が主君をいち早く京へと送り届ける為に奮闘を始める。

福島首先決斷立刻中止自軍行軍,將其準備的物資與全部移動計劃交出供秀吉使用。

手始めに福島は自軍の行軍を即座に中止し、その準備した物資や移動計画の全てを秀吉に明け渡すことを決断する。

接著為了告知靜子武將歸還將比原定大幅延遲,福島派遣使者再度走山陽側的山越路向有電信的地方傳達消息。

次に静子に対して当初の予定より返却が大きく遅れることを伝えるため、使者を派遣して電信のある山陽側へと再び山越えルートを駆けさせた。

憑藉這樣爭取來的緩衝,福島與作為先遣隊會合的秀吉兩兵衛反覆協議,後來被稱為「中國大返し」的魯莽計畫遂告啟動。

こうして稼ぎだした猶予を元に、先遣隊として合流してきた秀吉の両兵衛と協議を重ね、後に『中国大返し』と呼ばれる無茶な計画が走り出す。

秀吉本人因先行派出其智囊兩兵衛而對計畫細節不得而知,帶著不安從安藝國出陣。

当の秀吉は自身の頭脳たる両兵衛を自身に先んじて出発させたため、計画の詳細が掴めぬまま不安を抱えながら安芸(あき)国を出陣した。

秀吉只率最低限的人馬,在山越路出口的川根村受到款待,在福島構築的營地獲得補給後開始越山。

最低限の手勢のみを率いた秀吉は、山越えルートの出口である川根村で歓待を受け、福島が構築した陣にて補給を受けて山越えを開始する。

由於多次有大軍通過,山越路已被充分整備,從秀吉出陣起約兩日後,隊伍便能穿越中國山地。

既に何度か大軍が移動したため山越えルートは充分に整備されており、秀吉出陣から二日経過した頃に一行は中国山地を駆け抜けることが出来た。

就這樣獲得補給、與兩兵衛會合並得悉行軍計畫細節的秀吉,向為他延後自身行程而優先幫助他的福島表達謝意。

こうして補給を受け、両兵衛と合流して行軍計画の詳細を知らされた秀吉は、自身の予定を遅らせてでも秀吉の都合を優先してくれた福島に礼を伝える。

「市松(福島的幼名,秀吉亦稱他為表親),此番汝之獻身,吾當以吾之全魂報答!」

「市松(福島の幼名、秀吉はいとこでもあった彼をこう呼んでいた)、此度(こたび)の貴様の献身には我が全霊を以て報いようぞ!」

「說得這麼客氣幹嘛,我和筑前(指秀吉)不就是一夥的! 且讓那個自命不凡的明智殿看看我們的厲害吧」

「水くさいことを申されますな、わしと筑前はん(秀吉のこと)の仲やないですか! あのすかした明智殿に目にもの見せてやりましょう」

年僅數年前才結束初陣的年輕武者的激勵讓秀吉感動不已,他強忍快要溢出的淚水,發誓要比光秀更早到達京城。

つい数年前に初陣を終えたばかりの若武者からの激励に秀吉は感無量となり、溢れそうになる涙をこらえて光秀よりも先に京へと着くことを心に誓った。

從此兩兵衛大展身手,派出先遣隊並在所經之處準備補給物資,進行如破竹般的強行軍。

ここからは両兵衛が面目躍如とばかりに辣腕(らつわん)を発揮し、先遣隊を派遣しながら行く先々に補給物資を準備させて駆け抜ける強行軍となる。

在日本海因惡劣天候而遭逢巨浪,眾人飽受暈船之苦,幸而未有落伍者抵達舞鶴港,但沿陸路直奔京途中又遭逢不幸。

日本海では悪天候による高波で船酔いに苦しめられ、何とか落伍者を出さずに舞鶴港へと辿り着いたは良いものの、陸路で一路京へと向かう途中に更なる災難が降りかかった。

由於各地要人紛紛前往京城,靜子軍清掃周邊地區的不法之徒,結果許多流離成為山賊的歹徒與秀吉一行相遇衝突。

それは各地より要人が京を訪れるため、静子軍の手により周辺一帯のならず者共が追い払われた結果、山賊に身を窶(やつ)した彼らと秀吉一行がかち合ってしまったのだ。

不習慣的海路旅程所致的重度暈船與無謂行軍帶來的疲勞,使得秀吉一行精神不振,面對人數眾多的山賊陷入苦戰。

慣れない船旅による重度の船酔いと、無茶な行軍による疲労が重なった秀吉たち一行は精彩を欠いており、数だけは多い山賊相手に苦戦を強いられてしまう。

即便如此,正規訓練的軍隊與暴徒山賊在裝備與訓練度上有天壤之別,隨著時間流逝勝負逐漸明朗,山賊紊亂後逃散。

それでも正規に訓練を受けた軍隊と寄せ集めの山賊とでは装備も練度も違い過ぎたため、時間経過と共に勝敗が明らかになってゆき山賊たちは算を乱して逃げ出すに至った。

秀吉等人已無力追擊,戰畢後一行人泥濘疲憊地抵達了京城。

秀吉たちにはこれを追う余力等無いため、一戦を終えて泥まみれ汗まみれとなったままで京へと辿り着くことになってしまったのだった。

得知此事的信長露出笑顏,是因為他評價秀吉的臨機應變以及能將之化為現實的執行力之高。

これを知らされた信長が破顔したのは秀吉の臨機応変さと、またそれを現実に成し得てしまう実行力の高さを評価したためである。

儘管整個行程被迫繞行超過兩倍以上,信長仍稱讚秀吉雖然只是些微領先,但還是先於明智光秀抵達京城。

全行程では倍以上となる遠回りを余儀なくされておきながら、僅差とは言え明智光秀に先んじて京へと辿り着いたことを信長はこう評した。

「比起在此西國征伐中擊敗毛利,這件事更有趣。」

「この西国征伐に於いて毛利を下したことよりも、こちらの方が面白い」

在靜子的京宅裡,一手拿著茶與茶點閱讀報告書的信長自言自語道。

静子の京屋敷にてお茶と茶菓子を片手に報告書を読んでいた信長が独白する。

一邊應付信長、一邊下令準備新的茶點的靜子,反而更在意剛抵達京城後被抬進診療所的秀吉一行的病況。

信長の相手をしながら新たな茶請けの手配を命じていた静子は、京へと辿り着いた直後に診療所へと担ぎ込まれた秀吉一行の容体の方が気にかかった。

因極度疲勞與睡眠不足又合併脫水症狀,一度情況相當危急,但經過努力治療,似乎已有復原的徵兆。

極度の疲労と睡眠不足に脱水症状が加わり、一時はかなり危険な状態になっていたのだが懸命な治療の甲斐あって回復の兆しを見せているようだ。

「每天十里(約四十公里)以上的大移動。儘管人數不多,但這種蠻幹連續十日,衰弱也不是沒有道理的。」

「毎日十里(約40キロメートル)以上の大移動ですからね。少人数とはいえ、これだけの無茶を10日間も繰り返せば衰弱するのも無理はないでしょう」

秀吉一行正在為此次元服式而增建的診療所接受治療,主要以恢復疲勞與補充營養為中心進行處置。

秀吉一行は今回の元服式に向けて増築された診療所で治療を受けており、疲労回復と栄養補給を中心に処置を受けているとのことだった。

可悲的是,因為秀吉等人倒下,原先看中的旅館已經客滿,但反過來說被抬進診療所亦免去了住宿的煩惱,多少帶著諷刺意味。

哀しいかな秀吉たちが倒れたことにより当初目星をつけていた宿は既に満員御礼となってしまったのだが、怪我の功名か診療所に担ぎ込まれたことで宿泊の心配をする必要が無くなったのは皮肉と言えよう。

最後是遲到的兩兵衛向附近寺院交涉,安排借用宿坊,等病情穩定後秀吉等人也打算搬過去。

結局は遅れて到着してきた両兵衛が付近の寺に掛け合って宿坊を借りるよう手配したため、容体が落ち着けば秀吉たちもそちらに移る予定となっている。

「哼哼,比兒子的元服式還被更喧鬧地搶走話題,如何?」

「ふふっ、息子の元服式よりも派手に話題を攫われたがどうじゃ?」

「就算問我如何,羽柴大人也不願以這種不名譽的方式被喧鬧吧。而且四六現在緊張得沒心情理會這些事吧。」

「どうじゃと言われても、羽柴様とてこのような不名誉な騒がれ方は不本意でしょう。それに四六は今、緊張でそれどころじゃないでしょう」

「真無聊啊。稍微妒忌一下也不會遭報應吧?」

「なんじゃ、つまらぬのう。少しは妬(や)いてみせてもバチは当たらぬじゃろう?」

「年輕人的成人禮,最好不要發生多餘的問題。」

「若人の巣立ちなのですから、余計な問題が起こらないにこしたことはありません」

如是說著,但靜子並不認為信長真心期待會有什麼意外事件發生。

そう口にしながらも静子は信長が本気でハプニングを期待しているとは思っていない。

因為比起靜子更希望四六的元服式能如期結束的是信長自己。

何故なら四六の元服式が予定通り終わって欲しいという気持ちは、静子よりも信長の方が強いからである。

本來四六是有她血脈的人,會成為深得靜子信賴的繼承人,承接她的基礎。

元より自分の血を引いた四六が、腹心である静子の後継者となり彼女の基盤を受け継ぐからだ。

若不加說明,或會被人視為信長利用親族取代,從而掌握靜子家與財產的一種舉動。

ともすれば信長が己の血族を用いて、静子の家や財産の全てを乗っ取ったようにも受け取られる所業である。

幸好目前還沒有人傳出那種說法,但世上總有多嘴的人,不能掉以輕心。

幸いにして何処からもそのような話は出ていないが、口さがない者はいつの世にもいるため油断出来ないのだ。

「喂,靜子。我差不多該隱居了,替我當個天下人如何?」

「のう静子。わしはそろそろ隠居するゆえ、代わりに天下人になってみぬか?」

信長說出若被外人聽見可能成為大事的話語,聽到後靜子頓時作出一副苦澀的面容。

他人が耳にすれば大事件ともなり得る台詞を信長が口にする。それを聞いた静子は思い切り渋面を作った。

信長竊笑,認為正是這反應讓他能信任靜子。

この反応こそ静子に信を置ける理由だと信長はほくそ笑む。

他想,面對人人垂涎的權力還能擺出嫌惡表情的人,大概只有靜子能辦到了。

誰もが喉から手が出る程に欲しがる権力を前に嫌そうな表情を浮かべられるのは、日ノ本広しといえども静子ぐらいであろうと彼は考える。

「我拒絕。若打算把我當傀儡以行院政,請另找他人當神輿。」

「お断りいたします。私を傀儡(かいらい)にしたてて院政を敷くおつもりなら、もっと別の人を神輿(みこし)に据えて下さい」

「稍微裝出考慮的樣子也不是不可以吧?」

「少しは考える素振りぐらいしてくれても良いではないか」

當然,信長也並非真心提出那種建議,他做了個逗趣的聳肩動作。

無論、信長とて本気でそのような提言をしているはずもなく、彼はおどけた仕草で肩を竦(すく)めて見せた。

靜子也深知此點,因此才會如此明顯地表現出拒絕。

静子もそれを重々承知しているからこそ、露骨に拒絶をして見せたのだ。

「你知道我不適合做天下人吧?我目標本就是支持上樣成為天下人,打造一個人人都能理所當然享有明天的世代。自己去製造新的戰火根源有何用?」

「私が天下人に向いていないのはご存じでしょう? そもそも私の目標は、上様が天下人になるのを支えて誰もが当たり前に明日を享受できる世を目指すことです。自分で新たないくさの火種を作ってどうするんですか」

「我本以為若有了地位與權力會滋生些野心,你果然真是一如既往。」

「地位や権力を手にすれば多少は野心も芽生えるかと思うたが、貴様は本当に変わらぬな」

「我追求地位是為了擴大我能掌控的範圍。現在的地位已足以觸及整個日之本,沒有更多地位的必要了。」

「私の手で囲える範囲が広がるから地位を求めたのです。今の地位で充分日ノ本中に手が届くのですから、これ以上の地位は必要ありません」

「是嗎。但朝廷似乎打算封你為從二位。他們想盡辦法把你的影響力攬在手裡。哇哈哈!」

「そうか。じゃが朝廷は貴様を従二位(じゅにい)に叙するつもりのようだぞ。何としても貴様の影響力を抱え込みたいようじゃな。わっはっは!」

信長做出呵々大笑的樣子,然而靜子卻完全笑不出來。

呵々(かか)と大笑して見せる信長だが、静子はまるで笑えなかった。

信長的位階是正三位,朝廷欲將比靜子更高的位階授予她,意圖製造不合之象,這點顯而易見。

信長の位階は正三位であり、臣下である静子により高い位階を授けて仲違いを起こさせようと言う意図が透けて見える。

不過若真會因此產生嫌隙,那麼在信長與靜子同為正三位的時候早就該發生了。

しかしこれで仲違いが起きるのなら、信長と静子のどちらもが正三位の時に既に起きているだろう。

現在還沒發生,說明兩人都不那麼執著位階,只是把它當作可政治利用的頭銜罷了。

それが起こっていない時点で、両者とも位階にそれほど執着をしておらず、政治的に利用できる肩書程度の認識に過ぎない。

對信長而言,官位已不過是一種能在公家及其圈子裡增添光彩的工具。

もはや信長にとって官位は公家及び公家よりの人々に対して箔が付く道具でしかなかった。

「請拒絕吧。我並非支援他們以讓朝廷復權成為他們的工具。」

「お断り下さい。朝廷が復権するための道具となるために彼らを支援していたのではありませんから」

「他們若要授予也不用特別拒絕吧?若不中意再直接回絕即可。他們再怎麼喧囂,也不能僅靠權威讓世事運轉。」

「くれるというなら断る必要もあるまい? その上で気に入らねば話を突っぱねれば良い。奴らが今更どれ程騒ごうが、権威だけで世は動かぬ」

如信長所言,即便能拉攏靜子,朝廷也不可能再度復興,因為他們不懂得如何使用暴力。

信長の言葉通り、仮に静子を取りこめたとしても朝廷が再び返り咲くことはあり得ない。何故なら彼らは暴力の使い方を心得ていないからだ。

無論擁有再強大的武力,若無法有效運用,也只不過是無用之物。

どれだけ強大な武力を持とうとも、それを効果的に運用できないのであれば無用の長物でしかない。

長久遠離亂事的朝廷中,不可能有能正確操控軍事力的人,在那樣的狀態下不會有好結果,這是明顯的。

永く荒事から遠ざかっていた朝廷には、軍事力を正しく扱える人間などいるはずもなく、そのような状態では碌な結果にならないのは明白だ。

「何況上樣也知道我的兵力與武具儲放何處、以及生產據點在哪裡吧?即便我背叛,也會立刻朝制壓據點行動吧。」

「何より私の兵や武具が何処に保管され、また何処に生産拠点があるか等を上様は把握されているでしょう? 仮に私が裏切ったとしても、すぐさま拠点の制圧に動かれるでしょう」

靜子總是向信長詳盡地呈報兵力。

静子は信長に対して常に兵力の報告を備(つぶさ)に行っていた。

報告涵蓋了所有據點,包括一般人所不知的靜子隱藏生產據點,甚至記載了靜子軍的傭兵部隊散布於日本各地的情況。

それは一般には伏せられている静子の隠し生産拠点をも含めて全て網羅されており、静子軍の傭兵部隊が日ノ本中に散っている様子までもが記されている。

因此萬一靜子出了事或失去理智時,信長已經準備好能即刻制壓各個據點的安排。

故に静子に万が一のことがあったり、静子が乱心したりした際には信長が即座に各拠点を制圧できる手筈が整えられていた。

換言之,即便因某些理由靜子被迫站到朝廷那一邊,靜子也會立刻被全面制壓,毫無還手之力。

つまり何らかの理由によって静子が朝廷側に立たされたとしても、静子は即座に全拠点を制圧されてしまい手も足も出なくなるのだ。

靜子對信長表現出的,幾乎等同於隨時捧上自己首級的覺悟。

静子は信長に対して常に己の首を差し出しているに等しい覚悟を示し続けている。

「一旦露出那樣的姿態,他們會就此放棄嗎?」

「一度そういう姿を見せれば諦めますかね?」

「不會放棄,那些人看不清現實。正因如此,他們一定會冒出『若是我來會做得更好』這種毫無根據的自信。」

「諦めぬだろう、あ奴らは現実を見て居らぬ。ならばこそ『自分ならばもっと上手くやれる』と根拠のない自信を持ち出すに決まっておる」

「應該是吧。任何事從外面看都會覺得容易…… 難道他們閒到會想出這種無聊的事嗎?簡直就是『小人閒居,必生非』。」

「でしょうね。何事も外野からすれば容易く見えてしまうものですから…… 下らないことを考えられる程暇になったんですかね? まさに『小人閑居して不善を成す』と言ったところでしょう」

「如此一來就沒閒功夫多想別的了,就讓他們去幹活吧。」

「ならば余計なことを考える暇がないよう、働かせてやるとするか」

信長露出有些壞心的表情,似乎在盤算什麼。他雖以玩笑口吻說話,但靜子察覺到信長判斷現在尚非削弱朝廷之時。

信長は人の悪い表情を浮かべて何かを企んでいるようだ。彼は冗談めかして語ってはいるが、静子には信長がまだ朝廷の力を削ぐときではないと判断していると察した。

因為還有利用價值,短期內大概還會繼續觀望。

まだ利用価値があるため、当面は様子見が続くのだろう。

「話說回來,你帶來的那個『がとりんぐ』令我在意。那東西和足滿以前提到的機關槍不一樣嗎?」

「それよりも貴様が持ち込んでいる『がとりんぐ』とやらが気に掛かる。アレは足満が以前申していた機関銃とは違うのか?」

「和機關槍是不一樣的武器。機關槍是指一旦扣動扳機便會持續發射彈藥的槍。」

「機関銃とは異なる武器になりますね。機関銃は一度引き金を引いたら、弾が発射され続ける銃を指しますので」

說著靜子叫隨從把她事先準備好、預料會引起信長興趣的模型搬了進來。

そう言いながら静子は信長が興味を持つだろうと事前に準備をしていた模型を運び込むよう小姓に命じた。

不久被搬到兩人面前的,是將槍管簡化為僅兩根,且覆蓋鼓側面的金屬板被拆去的加特林機槍模型。

暫くして二人の前に運び込まれたのは銃身が二本のみに簡略化され、またドラム側面を覆う金属板が取り払われたガトリングガンの模型であった。

雖說是模型,但按實物相同尺寸打造得龐大,因此信長也好奇地打量著模型。

模型とは言いながらも実物と同じ寸法で作られた巨大さであるため、信長も興味津々で模型を眺めている。

「這稱為加特林機槍的連發式火器。如您所見備有多根槍管,靠轉動這個把手來運作。」

「これはガトリングガンと呼ばれる連発式の銃になります。御覧のように複数の銃身をそなえ、このハンドルを回すことによって稼働します」

「哦哦! 你部隊最近配備的新式槍能五連發,那這個能射多少發?」

「ほうほう! 貴様の部隊が近頃配備しておる新式銃が五連射出来るそうじゃが、これは如何ほど撃てるのじゃ?」

「理論上只要彈藥供應充足,便能無限射擊。」

「理論上は弾薬の続く限り無限に撃ち続けることが可能です」

「無限!?)」

「無限じゃと!」

信長瞪大了吃驚的雙眼。對他而言,即便是五連發也已是革新,所謂能無限射擊實在難以接受。

信長の目が驚愕に見開かれる。信長にとって五連発ですら革新的であったのに、無限に射撃できるなどということは受け入れ難い。

「那只是理論上的說法。實際上大約兩百發左右就需要更換彈匣。」

「あくまで理論上の話です。現実的には二百発程度で弾倉を交換する必要があります」

靜子這麼說後,從放在模型旁的彈藥箱中拉出一條連成帶狀的彈帶,插入槍本體的裝彈口,然後轉動把手。

静子はそう言うと、模型の隣に置かれている弾薬箱から銃弾が帯状に連なった弾帯を引き出し、銃本体の挿入口に差し込むとハンドルを回した。

因為鼓側露出,一開始看似為一根的槍管在中途分成遊底(槍栓)與槍管兩部分是可以看出的。

ドラム側面がむき出しになっているため、一見して一本に見えていた銃身が途中で遊底(ボルト)と銃身の二つに分割されていることが判る。

隨著把手轉動,彈藥被裝填到槍栓上,設在槍栓後端上方的三角形突起咬合到從鼓側由後向前斜行的導軌,整個槍栓沿著導軌被向前推送。

ハンドルが回るのにつれてボルトに弾薬が装填され、ボルト後端上部に設けられた三角形の突起部分がドラム側面を後部から前部に向けて斜めに走るガイドレールに噛み込み、レールに沿ってボルト全体が前へと押し出されていく。

從初始位置轉動約150度時,裝有彈藥的槍栓被推入槍管,並被棘輪機構鎖定。

初期位置から150度ほど回転した時点で弾薬が装填されたボルト自体が銃身へと押し込まれラチェット機構によってロックされた。

接著裝在槍栓後端的擊發針(ファイアリングピン)被往後拉,當旋轉從初始位置剛好到達180度──即在鼓的正下方時,針的鎖定解除。

次にボルト後端に備え付けられたファイアリングピンと呼ばれる装置のピンが後ろへと引き延ばされ、回転が初期位置から丁度180度つまりドラムの真下にきた時点でピンのロックが外れる。

針在彈簧的復位力作用下回彈,猛烈地擊打槍栓後端。

ピンはバネの復元力によってボルトへと引き戻され、ボルトの後端を激しく叩いた。

被如此觸發的彈藥發射,接著稱為拋殼器(エクストラクター)的排莢裝置解開棘輪機構的鎖,邊將被推入的槍栓拉回邊把剩餘的藥筒排出到外部。

これによって激発された銃弾が発射され、次はエクストラクターと呼ばれる排莢装置がラチェット機構のロックを解除し、押し込まれたボルトを後ろへと引き戻しながら残された薬莢を外部へと排出する。

正是這一連串動作反覆發生,使加特林機槍得以實現連射。

この一連の動作が何度も繰り返されることによってガトリングガンは連射を実現しているのだ。

表面上看似所有旋轉的槍管都在發射彈丸,實際上只有最下端的一根會發射,連射的發射時機也嚴格來說無法精確決定的武器。

一見するとグルグルと回転する銃身全部から弾丸が発射されるように見えるが、実は銃弾を発射するのは最下端にある1本だけであり、銃弾を発射するタイミングすら厳密には決めることが出来ない武器なのだ。

當然因為是模型,未裝填實彈,彈藥在未發射的情況下被排出,信長專注地注視著整個過程。

当然ながら模型であるため実包が装填されておらず銃弾は発射されないまま外部へと排出されるのだが、信長は一連の流れを食い入るようにして見つめていた。

「實際配備的加特林機槍是將十根槍管束在一起,但仍然只有最下端的一根在發射。」

「実際に配備しているガトリングガンには銃身が十本束ねられていますが、やはり銃弾を発射するのは最下端の一本のみです」

「這真是精巧的機關啊!我曾想過為了讓火繩槍能快速射擊,把裝填與射擊、槍管清潔等工作分給不同人來做,如今被這機關代替了!」

「これは非常に洗練された絡繰りじゃ! わしがかつて火縄銃を素早く射撃するために、銃弾の装填と射撃、銃身の清掃と各作業を別人に分担させようと考えていたことが絡繰りに代替されておる!」

的確,這與史實上信長在長篠之戰據說採用的『三段撃ち』極為相似。

そう、これは史実に於いて信長が行った長篠の戦いで行われたとされる『三段撃ち』に酷似しているのだ。

「陛下請冷靜。這把加特林機槍很優秀,但也有缺點。」

「上様落ち着いて下さい。このガトリングガンは優秀ですが欠点もございます」

「我很冷靜!那麼,缺點是什麼?」

「わしは落ち着いておる! して、欠点とは何じゃ?」

信長像是搶過靜子遞上的茶般一把接過,一口喝乾後發問。

信長は静子が差し出した茶をひったくるように受け取ると、一気に呷って飲み干すと問いを放つ。

「首先簡單說就是太重。若不計彈藥,光是因為有十根槍管,本體重量自然是十倍,再加上其他機構部件,重量大約達到新式火槍的十三倍左右。」

「まず単純に重すぎます。銃弾を除いた本体だけでも銃身が十本あるだけで重量も当然十倍になり、他の機構部品を考えれば新式銃の十三倍程度に達する重量があります」

「所以會像大砲一樣成為固定式兵器了嗎……」

「だから大砲のように固定式の兵器になっておるのか……」

「接著會像用水一樣耗費子彈。設計上約在一分鐘內射出兩百發。」

「次に銃弾を湯水のごとく消費します。およそ1分で200発を撃ち切る設計になっております」

「這一台在一分鐘內竟然能射出兩百發子彈!?」

「これ1台が1分に200発も銃弾を撃ち出すというのか!?」

「是的。相對地,它在正面壓制能力上遠勝新式火槍。我們假定由兩名兵士操作,但這武器能讓兩人對付一百名兵士。」

「はい。代わりに正面の制圧能力は新式銃の比ではありません。二人の兵が運用する想定ではありますが、二人で百人の兵を倒せる兵器となっています」

靜子的話讓信長啞口無言,他幻視到一群騎馬武者衝鋒時,被吐出子彈不止的加特林機槍掃倒的景象。

静子の言葉に信長は絶句すると、次々と銃弾を吐きだすガトリングガンによって突撃してくる騎馬武者の群れがなぎ倒される姿を幻視していた。

他原以為火槍傳入已改變了戰爭形態,但這種兵器的出現甚至會顛覆數量上的優勢,信長不禁為之戰慄。

鉄砲の伝来によっていくさの形が変わったと思っていたが、この兵器の登場によって数の優位性すら覆す転換点が訪れるのだと信長は戦慄するほかなかった。

當信長為新時代的到來顫慄時,人們已陸續湧向京城。

信長が新時代の到来に慄(おのの)いている頃、人々が続々と京へ集まってきていた。

各地有力者不論領地距京有多遠,都設法讓家族長能出席四六的元服儀式,因此京城呈現出恐怖般的熱鬧景象。

各地の有力者は己の領地がどれほど京から離れていようとも、一族の長が四六の元服式に出席できるよう取り計らったため、恐ろしい程の賑わいを見せている。

尤其是東國的國人們這一傾向尤為顯著,縱然多年積怨互相仇視,也收起兵戎聚集至京。

特に東国の国人たちはこの傾向が顕著であり、積年の恨みによっていがみ合う仲であっても矛を収めて京に集っていた。

誰都知道是東國管領嫡男的元服,缺席根本不可想,派名代更被視為失禮,故一族長親自前來。

何せ東国管領の嫡男が元服するのだ、不参加などはもってのほかである。当然名代を派遣するなど失礼に当たると考え、一族の長本人が直接出向いて来ている。

「有家派了名代就被抄家了?我是獨裁者還是怎樣?」

「名代を派遣した家が取り潰しになった? 私は独裁者か何かかな?」

靜子看了彙整那些民眾若有似無低聲傳言的報告書,只有感到無奈與瞠目結舌。

民たちがまことしやかに囁(ささや)いている噂を集めた報告書に目を通した静子はあきれる他なかった。

靜子早就從間者獲報有明顯無中生有的謠言流傳,但若說到這等荒唐無稽,反倒讓她感到一陣無力。

明らかに根も葉もない噂が出回っていると間者から報告を受けていた静子であったが、ここまで荒唐無稽(こうとうむけい)であると逆に脱力してしまう。

本來靜子並無那樣的權限,且也沒有具體被抄家的家族名單,明顯屬於流言蜚語。

そもそも静子にそのような権限は与えられていないし、実際に取り潰しになった家の具体的な名は挙がっていないなど、明らかに流言飛語の類であった。

然而,相同的謠言在同一時期不自然地擴散,令人懷疑有人刻意散布。

とは言え、不自然に同じ噂が同時期に広まっていることから、誰かが意図的に流している可能性が疑われた。

「要不要把犯人找出來嚴加懲處?」

「犯人を捜し出して締め上げますか?」

「俗話說『誹謗他人如鴨之味』,但這實在太離譜了。寫封信敲個警告吧。」

「『人を謗(そし)るは鴨の味』というけれど、流石にこれは目に余るね。少しお手紙を書いて、釘を刺そう」

才藏對貶損主君的謠言表示不滿,靜子也終於不得不動起來。

主君を貶す内容の噂に不快感を示す才蔵が問うと、さしもの静子も重い腰を上げることにした。

關於散布謠言的犯人已有嫌疑目標,懷疑是遠方來訪京城但未見到靜子的某位國人所為。

既に噂を流した犯人については目星がついており、遠地より京を訪れたが静子に目通りが叶わなかった国人の仕業だと目されている。

間者已經展開查證,正擬定文稿以便一旦確定即可寄出手信。

既に間者が裏取りに動いているため、確定となり次第手紙を出せるよう文を認(したた)めている。

信中並非以武力相逼,僅是告知有人在散播奇怪的謠言並因此感到痛心;但若那封信精準地只送到該國人手中,當事人會作何感想呢?

武力を以て脅迫するのではなく、あくまでも妙な噂が流れていることを把握して心を痛めている旨を知らせる内容に過ぎないのだが、ピンポイントでその国人にのみ届けられる文を受け取れば本人はどう思うだろう?

簡言之,就是婉轉警告「現在可以睜一隻眼閉一隻眼,但要適可而止」。

要するに「今ならば目こぼしをしてやるが、程々にしておけよ」という内容を婉曲に伝える警告文となるのだ。

「我們很快就沒空理這種無稽之談了。但若傳到上様或義父大人耳裡會很麻煩,還是要設法收束謠言吧。」

「すぐにこんな与太話に構っていられるほど暇じゃなくなるでしょう。ただ上様や義父上のお耳に入ると大変だから、噂の収束は図ろうか」

即便靜子一笑置之,若問信長與前久是否也能如此放過,那是不可能的。

静子が笑って済ませたとして、信長と前久が同じく見過ごしてくれるかと問われれば否である。

當然會把當事人召來問詳情,一旦事實查明,謠言甚至可能變成現實。

詳しい話を聞かせろと本人を呼びつけるのは当然として、事実が判明し次第噂が現実のものとなる可能性すらあるのだ。

「要在沒有人喪命之前把事情壓下去。」

「人死にが出ない間に収束させないとね」

即便散布謠言的動機是因為被靜子冷落而心生報復,靠捏造謠言貶低他人的行為也絕不會被容許。

噂を流した原因が静子に袖にされたことによる腹いせであったにせよ、虚言を弄して他者を貶める行為が容認される筈もない。

此外謠言性質惡劣,因為資訊不確定難以追究責任,且隨時間會被添油加醋地變得有趣,最終越過無法忽視的界線而廣泛傳播。

更には噂というのが悪質だ。不確かな情報であるだけに責任の所在を問いにくく、また時間の経過と共に面白おかしく変容していくため看過できない一線を超えて広まってしまう。

若那事傳到信長耳裡,等待的將是肅清的風暴。

それが信長の耳へと届いてしまえば、待っているのは粛清の嵐である。

「話說你都來到京城了,但慶次先生幾乎沒出門,是發生什麼事嗎?」

「それよりも京に来ているのに、慶次さんが出歩いていないのだけれど、何かあったの?」

慶次在靜子留宿京屋時常去拜訪舊識;他在京城的人脈依舊廣泛,與各行各業都有往來。

慶次は静子が京屋敷に滞在している間、知己の許へと顔を出すことが多い。彼の顔の広さは京にあっても変わらず、様々な職種の人々と縁を結んでいた。

作為馬廻衆陪伴靜子,他卻常常不知不覺地悄然出門走動。

馬廻衆として静子に帯同しているが、気が付けばふらりと出かけていることが多々あった。

但這次卻幾乎沒從京屋敷外出。既無特別限制,靜子對慶次的用意無法判讀而感到困惑。

それが今回に限っては京屋敷から殆ど外出していない。特に制限を掛けた覚えもないため、静子は慶次の思惑が読めずに困惑していた。

「好像就是吃不習慣那裡的飯菜……」

「どうにも飯が口に合わなかったようで……」

「難道對京城的料理如此不滿?他以前總是精力充沛地出門走動,我以為他還算滿意。」

「京の食事がそこまで不満だったのかな? 今までは精力的に出歩いていたから、それなりに満足しているものだと思っていたよ」

「靜子大人您不必掛心。只是嘴刁了而已。」

「静子様がお気にかける必要はございませぬ。ただ舌が肥えただけですゆえ」

「啊……」

「ああ……」

從才藏的話裡靜子便領悟到:尾張是東國首屈一指的經濟圈,擁有港灣城市,因此各類人物都會來訪其領地。

才蔵の言葉で静子は察してしまった。尾張は東国随一の規模を誇る経済圏であり、港湾都市を擁することから様々な人々が領地を訪れる。

因此各式食材自然被引進,不僅日之本各地的料理,甚至海外料理也有店家提供。

必然的に様々な食材が持ち込まれ、日ノ本各地はおろか海外の料理すら提供する店が存在した。

在這樣的背景下,各種飲食文化競相並融合,使得尾張的料理水準遠遠超群。

こうした背景から様々な食文化が競い合い、融合し合った結果として尾張の料理レベルは群を抜いて高くなってしまっているのだ。

本應珍貴的砂糖與香辛料也被大量使用,各種調味品流通且日益洗練,因此調味的變化非常豐富。

貴重なはずの砂糖や香辛料などもふんだんに用いられ、各種調味料も洗練された品が流通しているため味付けのバリエーションが豊富になっている。

習慣了這種生活的人,移動到其他地區後無法忍受只用鹽調味的情況,早就有相關報告了。

この生活に慣れた人間が、他の地域へと移動すると塩のみの味付けに耐えられないという報告は以前より上がっていたのだ。

「我原以為食物選擇多比較好,但在沒有選擇的地方反而會對當地料理感到不滿……現在要去規範尾張的飲食文化很難,但飲食上的不滿是個嚴重問題,必須想些對策呢」

「食事の選択肢が多い方が良いと思っていたけれど、それが無い地域では現地の料理に不満を覚えてしまうのか…… 今更尾張の料理文化を規制するのは難しいけれど、食の不満は深刻な問題だから何か対策を考えないといけないね」

俗話說食物的怨恨可怕,可見對飲食的不滿絕不能掉以輕心。

食べ物の恨みは恐ろしいと言う言葉があるように、食に対する不満は決して軽く見て良いものではない。

既然每天的飲食構成了個人,飲食問題就可能成為直接關乎生活品質的嚴重議題。

毎日の食事がその人を形作っている以上、食事は生活の質に直結した深刻な問題となり得るのだ。

更何況向來隨興行事的慶次竟然因不滿而減少外出,靜子為此感到危機。

更に言えば風の向くまま気の向くままを地で行く慶次が、外出を控える程に不満を覚えていることに静子は危機感を持っていた。

然而,靜子的憂慮成了多餘的擔心。靜子決定不聽傳聞而直接問慶次他的真實想法,結果得到意外的回答。

しかし、その静子の懸念は杞憂に終わる。伝聞ではなく、本人から思う処を聞きだそうと考えた静子が慶次に訊ねると予想外の答えが返ってきたのだ。

「……只是因為吃太多造成嚴重的胃灼熱,所以才沒外出啊」

「……食べ過ぎによる胸やけが酷かったから外出していなかったのね」

這就是慶次說他少出門的理由。雖然他確實覺得京中的料理乏味,但他用從尾張帶來的酒和調味料改變口味狂飲,結果只是造成了胃脹不適。

慶次が語った外出を控えていた理由がこれだ。実際に京の食事を味気なく思ってはいたのだが、尾張から持ち込んだ酒と調味料で味変しながら痛飲した挙句に胃もたれを起こしたに過ぎなかったのだ。

「這段時間不出門,我還擔心你是不是有什麼嚴重的事……結果只是因為身體不適臥病罷了啊」

「ここ暫く外出をしないから、何か深刻な理由を抱えているのかと心配したのだけれど……体調不良で伏せっていただけだったんだね」

「酒現在也還是能喝的,但果然只用鹽調味的料理沒讓我有食慾。哇哈哈!」

「酒なら今でも飲めるのだが、流石に塩のみの味付けがされた料理では食指が動かなかったな。わっはっは!」

「話說回來為什麼要吃到躺床不起的程度呢?」

「そもそも何故寝込むほど大食いなんかしたの?」

「一開始是店裡的菜不合口味,我就用調味料改變味道來吃,然後突然想吃炸物,就帶了油來請人炸了各種東西給我」

「最初は店の料理が口に合わなくてな、調味料なんかで味付けを変えて食ってたんだが、ふと揚げ物が恋しくなって油を持ち込んで色々揚げて貰ったのよ」

「炸物只撒鹽就夠好吃了?」

「揚げ物だと塩を振っただけで充分美味しかったと?」

「嗯。以為大家也會吃所以請人多做了,但不耐油的人很快就招架不住,結果大部分料理都落到我手上吃了」

「うむ。皆も食うだろうと大量に作って貰ったのだが、油に耐性の無い奴は早々に音を上げてしまってな。料理の大半を俺が食う羽目になったのよ」

也就是說,慶次閉門不出的原因只是因為吃了大量炸物引起的胃脹和胃灼熱,他只是在症狀平息前,在屋內吃些對胃較溫和的食物靜養罷了。

つまり慶次が引き籠っていたのは大量に揚げ物を食べたことによる胃もたれと胸やけが原因であり、それらの症状が収まるまで胃に優しい料理を食べながら屋敷内で安静に過ごしていたにすぎなかったようだ。

雖然被徹底地掃了一頓興,知道沒什麼大事後靜子不由得鬆了口氣。

盛大に肩透かしを食らった形になったのだが、何事もなかったと知って静子は思わず胸をなでおろすのだった。