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戦国小町苦労譚

1575年 九月中旬

通常是一兩天就結束的秋季美食祭,這次卻異例地舉辦了長期活動。

通常一両日で終了する秋の味覚祭りだが、今回は異例の長期間開催と相成った。

在信長擠出來的名義──兼作與結盟諸家的親睦會──之下,宴席以秋天為主題,連日連夜供應講究奢華的料理。

信長が捻り出した同盟関係にある各家との親睦会を兼ねるという大義名分のもと、秋をテーマとした贅を凝らした料理が連日連夜供される宴となっていた。

以最初估算的食材當然不可能足夠,靜子把廚房託付給五郎和助手四郎,一邊思考菜單一邊指示採購食材,又招待來客,忙得眼花撩亂。

当初見積もっていた食材では当然足りるはずもなく、静子は調理場を五郎と助手の四郎に任せ、献立を考えつつ食材の調達を指示したり、来客の応対をしたりと目が回るような忙しさを感じていた。

然而,面對突發成為空前規模的盛宴,能毫無缺漏地持續提供酒菜的尾張實力讓外國的国人們看得目瞪口呆,對那種豐饒甚至感到戰慄。

しかし、突発的に空前の規模となった宴に対して、酒も料理も欠くことなく提供し続ける能力があるという、尾張の底力を見せつけられた他国の国人たちは、その豊かさに戦慄すら感じていた。

「總算結束了……」

「やっと終わった……」

果然尾張滯留將近一週後,管理安土的堀便頻繁寄信催促信長歸還。

流石に尾張滞在が一週間近くに及ぶと、安土を預かる堀から信長へと帰還の催促が度々届くようになった。

起初信長只是看一眼便置之不理,但當信中的語氣漸漸滲出悲壯之感時,也不得不起身回去。

最初は一読しただけで無視していた信長だが、文面に悲壮さが滲むようになると重い腰を上げざるを得なくなった。

隨著信長先行返還,秋季美食祭也告一段落,同行的前久與謙信也成群結隊各自返回領國。

信長の帰還を皮切りに秋の味覚祭りはお開きとなり、同道してきた前久と謙信も連れ立ってそれぞれの領国へと戻っていく。

原本的主賓家康也為了彌補突如其來造成的麻煩,帶著靜子準備的堆積如山的土產返回三河。

当初の主賓であった家康も、突然予定外の迷惑をかけた罪滅ぼしにと、静子が持たせた山のような土産と共に三河へと帰っていった。

唯一留下的是信忠,因為他的歸着地在近鄰美濃,且希望與成為靜子子嗣的四六與器會面,因此留了下來。

唯一人、信忠のみは帰着地が美濃と近場であり、静子の子となった四六と器との接見を希望したため居残っていた。

若用正式會見就會增加關係者人數,於是選在靜子宅邸內較偏僻的一間房,只有當事人被召集到一起。

公式の会見にすると関係者が増えるため、静子邸の奥まった一室を用いて当事者だけが集められる。

「你們是靜子的孩子嗎?不用那麼拘束,雖然母親不同,但同為父上之子,我等即成為兄弟。」

「其の方らが静子の子か。そう畏まるな、母は違えど共に父上の子、我らは兄弟となるのだ」

信忠對四六與器笑著,用寬容的態度點頭示意。

信忠は四六と器に笑いかけ、鷹揚に頷いて見せた。

「冒昧回應一句,我等早已敬靜子大人為親,還請當作家臣之子女來照顧。」

「お言葉を返すようですが、最早我らは静子様を親と仰いでおりまする。家臣の子女としてお取り計らい下さい」

聽了四六的回答,信忠稍感吃驚。這份超乎年齡的穩健回應,且不依仗血緣、明白政治立場的發言內容。

四六の応(いら)えを受け、信忠はやや面食らってしまう。年齢に見合わぬしっかりとした受け答え、更に血縁に甘えることなく、政治的立ち位置を弁えた発言内容。

這樣的話語,令人不禁自問當年自己是否也能做出類似回應?信忠從這句話中感受到四六不得不早熟的背景。

果たして自分が同じ年の頃に、このような受け答えが出来たであろうか? 信忠はこの一言から、四六が子供でいることを許されなかったという背景を感じ取っていた。

然而,這並非信忠想看到的東西。他不想要只是一套應付體面的處世術,而是想了解本來的性格,於是想出一計。

しかし、これは信忠が見たかったものではなかった。体裁を取り繕った処世術ではなく、本来の人となりを知りたいと考え、一計を案じる。

「不用那麼忸怩。看靜子的態度,對主家的嫡子哪裡有什麼敬意。」

「そう肩肘を張らずとも良い。静子の態度を見よ、主家の嫡子に対する敬意なぞ何処吹く風よ」

信忠笑著拿著扇子指向靜子。

信忠は笑いながら手にした扇子で静子を指し示す。

四六轉頭看向那邊時,靜子毫不掩飾睡意,袖子掩著嘴大大打了個哈欠。

四六がそちらへと顔を向けると、静子は眠たげな様子を隠そうともせず、口元を袖で隠して大あくびをしているところだった。

「是誰討厭那種拘謹的態度呢?我倒不介意擺出一副外行的樣子啊?」

「畏まった態度を嫌がったのは誰だったかな? 私は別に余所行きの態度でも構わないんだけど?」

在孩子面前失態,連向來泰然的靜子也覺得羞愧,略帶怨懟地向信忠投去目光。

子の面前での失態は、流石の静子も恥ずかしかったのか、少しうらめしげに信忠へと目線を投げかけた。

回想起信忠初陣時,靜子曾以家臣之姿展現謙遜的態度。

思い返せば信忠が初陣に臨んだ際、静子は家臣として遜(へりくだ)った態度を示した。

那個曾如家人般相處的靜子,忽然變得疏遠,命他恢復如常的人正是信忠本人。

それまで家族同然に付き合ってきた静子が、急によそよそしくなったように感じ、元に戻すよう命じたのは外ならぬ信忠であった。

自那之後,除了正式場合之外,靜子仍保持往常的態度,信忠也覺得心安,因此可以說兩人之間維持著近於親近的關係。

それ以降も公式の場以外では、静子は以前と同様の態度を取り続け、信忠もそれを心地よく思っていたため、悪く言えば慣れ合いに似た関係が続いていた。

公私分明,且曾宣告這是非正式的接見,信忠決定自己讓步。

公私の分別はついているのだし、非公式の接見であると宣言もしたこともあり、信忠は自分が折れることにした。

「不,靜子就保持現在這樣最好。我剛才是亂說罷了。你們有去學校上學嗎,四六他們?」

「いや、静子は今のままが良い。戯言(ざれごと)を申したな。四六らは学校へ通わせておるのか?」

「嗯,農閒期快到了,時機本來不錯。不過我覺得還是等身邊再穩定一點比較好。」

「うーん、もうすぐ農閑期だし、時期としては良いんだけどね。もう少し身辺が落ち着いてからの方が良いかなと思っているんだ」

靜子的想法是預計給四六與器大約一年左右能安心生活的時間,之後若他們希望,再讓他們去上學。

静子の考えとしては、四六と器の両名が安心して生活できる期間として1年程度を見込んでいた。その後、本人達が希望すれば学校へ通わせるつもりであった。

當然,若他們更早就希望去上學,也不反對讓他們去。

勿論、それよりも早く希望するのであれば、通わせることに否やはない。

「我的直覺告訴我,應該讓四六早點去上學。交到同輩朋友,受到良好的刺激,這傢伙或許會成為傑出人物。」

「俺の直感が告げておる、四六は早く学校へ通わすべきだ。学友を得て、良い刺激を受ければ、こ奴は傑物になるやもしれぬ」

「過獎了,十分感謝。」

「過分なお言葉、痛み入ります」

「並非客套。我聽聞了你們的處境。但世上並非全是像靜子那樣的人。坦白說,憑表面判斷事務的愚人更多。因此靜子的學校,將來有朝一日會被稱為日之本的最高學府。修畢那裡的學業,會為你們的名望增色。」

「世辞ではない。其の方らの境遇は聞き及んでおる。しかしな、世の中は静子のような人間ばかりではない。はっきりと申せば、上っ面で物事を判断する愚物の方が多い。そこで静子の学校よ、あれはいずれ日ノ本の最高学府と呼ばれるようにもなろう。そこを修了したと言うのは、其の方らの肩書に箔を付けることになる」

「光環嗎?」

「箔、でございますか?」

信忠點頭回應四六的話。靜子創辦的學校不論身分一律開放入學。

四六の言葉に信忠は頷く。静子が開設した学校は、身分に拠らず門戸を開いている。

平民亦有,貴族和武家子女等也在籍,彼此之間的區別只看熟練度。

平民もいれば、貴族や武家の子女なども在籍し、彼らを区別するのはその習熟度合だけである。

採行學分制,因此會依各人目標的路向提供相應教育,但在一般教養等共通領域,男女無別,共處同一教室並肩學習。

単位制を導入しているため、それぞれが目指す進路に応じた教育が施されるが、一般教養等の共通分野に関しては男女の区別なく、同じ教室で机を並べて学ぶこととなっている。

現實上需要高等教育的女性進路有限,故有意者本就少,但若有志願,女性也可接受與男性同等的教育。

現実問題として高等教育を必要とする女性の進路が限られているため、希望者自身が少ないものの、望めば女性であっても男性と同等の教育を受けることが出来た。

即便僅限於最基本的教育,也可學得讀寫算盤、地理與歷史、道德等在生活上實用的知識。

最低限の教育だけに限っても、読み書き算盤をはじめ、地理や歴史に道徳など、生活する上で実用的な知識を修めることが出来る。

當然再怎麼富庶的尾張,也不是所有父母都有餘裕讓達到勞動年齡的子女閒置於家,平民子女往往只能止於最低限度的教育。

尤も如何に豊かな尾張といえど、労働力となる年齢に達した子女を遊ばせておけるほど余裕のある親ばかりではなく、平民の子はどうしても最低限の教育だけに留まる傾向にあった。

靜子一直未插話、專心當聆聽者,發現自第一次問候後器就沒再開口。

二人の会話に口を挟まず聞き役に徹していた静子は、最初の挨拶以来、器が口を開いていないことに気が付いた。

轉向器的視線時,見她似乎聽不懂信忠與四六的對話,顯得有些無聊。

器へと視線を向けると、信忠と四六の会話を理解できていないのか、退屈そうにしている。

萬一在信忠面前打起瞌睡會釀成大事,靜子便決定插入兩人的談話。

万が一にも信忠の前で船でも漕ぎ始めると大事になるので、静子は二人の会話へ割り込むことにした。

「如果你們要兩人談,我和器就先失陪,可以嗎?」

「二人で話をするのなら、私と器はお先に失礼しようかと思うのだけど?」

「嗯,說起來這時間對孩子有些殘忍。本來只是想知道她是否健在,器無妨。先讓她休息吧。但靜子不行。」

「む、そう言えば子供には酷な時間か。元より健やかに過ごしているかを知りたかっただけゆえ、器は構わぬ。先に休ませるが良い。しかし、静子はならぬ」

「四六似乎對你有情義,所以我留下也沒關係,不過我先把事辦好。」

「四六にご執心のようだから、私が残るのは構わないけど、先に用事を済ませちゃおう」

靜子一說完便拍手,叫了在隔室待命的彩,請她把器帶去寢所。

そう言うと静子は手を叩いて、隣室に控えていた彩を呼び、器を寝所へ連れていくよう頼んだ。

信忠目送彩牽著器退室,心中在意器自我意識薄弱這一點。

信忠は、彩に手を引かれて退室して行く器の姿を見送りながら、器の自意識が希薄なことが気に掛かった。

總覺得她有些超然脫俗,或說缺乏生氣,至少在某種意義上不像孩子。

どうにも浮世離れしているというか、生気が感じられないと言うか、少なくとも四六とは別の意味で子供らしくないと感じていた。

不過靜子並未焦慮,信忠也便不多言,閉口不語。

しかし、静子が焦っている様子がないため、特に何を言う訳でもなく口を噤むことにした。

「那麼,四六。等你修完靜子的學業之後,願意來侍奉我嗎?」

「さて、四六よ。静子の学校を修了したのち、俺に仕えぬか?」

信忠以談論明日天氣般輕鬆的口吻,做出影響四六一生的邀請。

信忠は明日の天気を語るような気楽さで、四六の一生を左右する勧誘を行った。

面對這突如其來的重大提議,以及信忠自以為不會被立刻拒絕的態度,四六語塞無言。

予想外の重大事と、頭から断られると思ってもいない信忠の態度に、四六は二の句が継げないでいた。

「若仍是父上的子,必會為後繼之位相爭,故不能如此勸誘;但既成為靜子的子,便可與兄弟攜手。我需要不必探其心思就能信賴的腹心,而你,四六,竟自稱為靜子的子。即便非出於真心,也非易言之事。我認可你的覺悟與才幹。」

「父上の子のままであったなら、後継の地位を巡って争う立場となるため、このような勧誘は出来ぬ。しかし、静子の子となった今ならば、兄弟で手を取り合うことが出来る。俺には腹の内を探らなくとも良い腹心が必要だ、そして四六、其方(そなた)は自ら静子の子であると言い放った。たとえそれが本心ではないとしても、なかなか口に出来る事ではない。俺は其方の覚悟と、才覚を買っておる」

「可……可是,我還什麼都沒做。」

「し……しかし、私は未だ何も為しておりません」

「因此要修學業。父上的霸道之後,將會迎來戰亂已息的太平世代;只懂打仗的人,不出十年便會成為無用之輩。我不要求你立刻,放眼未來,好好修學給我看。」

「それゆえ学業を修めるのだ。父上の覇道の先は、戦乱の絶えた泰平の世となろう、いくさしか出来ぬ輩では十年と経たずに無用の存在となり果てる。今すぐとは言わぬ、未来を見据えて学業を修めてみせよ」

「哈……哈哈!為了不辜負奇妙様的期待,也不讓母親丟臉,我會更加奮發。」

「は……ははっ! 奇妙様のご期待と、母の顔に泥を塗らぬよう、一層奮起いたします」

四六似乎被信忠的話所感動,深深低頭接受了他的提議,信忠滿意地注視著那一幕。

四六は信忠の言葉に感銘を受けたのか、深々と頭を下げて彼の提案を受け入れた。その様子を信忠は満足げに見守る。

「真是相當果斷的任用呢。」

「随分と思い切った登用だね」

「正是你,靜子,你自己不也示範過?無論出身為農民或牢人,只要發現才幹並正確引導,也能成為一方人物。」

「他ならぬ静子、貴様自身が示してみせたではないか? 出自が百姓であろうが、牢人であろうが、才を見出し正しく導いてやれば、一廉の人物となり得るとな」

靜子欲對提出不問出身只論才能的觀念插話,信忠更進一步談及發掘並培育在野埋沒的人才,這種過於前瞻的思想讓她想反駁,卻遭到意外反擊。

有能であれば出自を問わないという考えから、更に一歩推し進め、在野に埋もれた才能の発掘と育成を視野に入れた時代を先取りしすぎた感のある思想を語る信忠に、静子が茶々を入れたのだが、予想外の反撃を喰らってしまった。

「正確識別人才的眼光,以及作為能善用人才之主人的才幹也會受考驗,但那些自會逐漸證明。活在戰亂時代固然重要,但為其後做準備同樣關鍵。有能者絕不可輕易放手,應圈養於手中才是上策;白白放手,日後若成敵,將悔恨莫及。」

「正しく人の才を見抜く目と、それを使いこなす主人としての才覚も試されるが、それは追々証明できるであろう。戦乱の世を生きぬく事も大事だが、その後を見据えた準備も同じぐらい重要だ。有能な者は決して手放すことなく、手の内に囲い込むのが上策。みすみす手放して、後に敵対されては悔やみきれぬ」

「(嗯——比想像中視野還要寬廣。希望他的思想不會因此過於隔絕而孤立……)嗯,想法真多呢。」

「(うーん、予想以上に視野が広がっちゃったな。思想が隔絶しすぎて孤立しないと良いのだけれど……)ふーん、色々と考えているんだね」

看到信忠不只著眼於眼前,甚至已開始為信長統一日本後做長遠佈局,靜子忍不住感到危機感。

近い将来だけではなく、信長に拠る日ノ本統一後をも見据えた布石を既に打ち始めた信忠を見て、静子は危うさを感じずにはいられなかった。

她的親生父信長也因言行難以獲得他人同感,常無端樹敵,並非無跡可尋。

実父である信長も他者の共感を得られない言動をとるため、作らなくても良い敵を作っている節がある。

這樣下去信忠也可能步上相同道路,尖銳的才華本身便隱含危險性。

このままでは信忠も同じ道を歩みかねないと言う、尖った才を持つが故の危険性を孕んでいた。

為了讓他再次理解與周遭步調一致、向他人尋求理解的重要性,信忠必須學會敗北。

今一度周囲と歩調を合わせたり、他者に理解を求めたりすることの重要性を理解させるためにも、信忠には敗北を学んでもらわねばならない。

「他自小便是伶俐的孩子,但到了這裡彷彿一舉綻放。史實上雖未如上樣那般突出,卻被說在戰事與政治上皆有均衡的才幹。原本就有天賦,我又出手相助使其大放異彩嗎?若真如此,過去的所為如今反過來折磨我,實在是諷刺。」

(昔から利発な子ではあったけど、ここに来て一気に花開いた感じだね。史実でも上様ほど突き抜けてはいないものの、いくさも政治も満遍なく才能を示したと言われていたんだっけ。元々才能が有ったところに、私が入れ知恵をしたことで大きく花開いたってことかな? だとするなら、過去の行いが巡り巡って今の私を苦しめているのは、なかなか厳しい皮肉だね)

原本信長策劃以東國征伐讓信忠學敗,卻因信忠自身的才幹,變得極有可能失敗。

東国征伐で信忠に敗北を学ばせるという、信長の目論見は、外ならぬ信忠自身の才覚によって失敗する公算が高くなっていた。

本就難以預料的東國征伐因新增更多不安因素,結果將成為揭曉前難以斷言的狀態。

元より先が読みにくい東国征伐に、更なる不安要素が増えたことで、結果は蓋を開けてみるまで判らない状態へと突き進む。

「我也不是會永遠追在父上與靜子身後的童子。我會向前人學習,努力追上並超越。」

「俺だって、いつまでも父上や静子の背を追っていた童(わらし)ではない。先人に学び、追い付き追い越せるよう努力もするさ」

不顧靜子的憂慮,信忠臉上掛著晴朗的表情。

静子の心配をよそに、信忠は晴れやかな表情をしていた。

正當即將入十月之際,一件撼動織田與本願寺、已悶燒多時的事件發生了。

間もなく十月になろうかと言う矢先、燻(くすぶ)り続けていた織田と本願寺とを揺るがす事件が起きた。

本願寺核心人物之一下間頼廉在進入安土後便失去音訊。

本願寺の中核を担う人物の一人、下間(しもつま)頼廉(らいれん)が安土入りしたのを最後に消息を絶った。

由於安土是信長的根據地,本願寺方面懷疑信長暗殺了頼廉。

信長のお膝元たる安土ということもあり、本願寺側は信長が頼廉を暗殺したのではと疑った。

對於被加諸的嫌疑,信長反駁說,若真想暗殺,會選擇在頼廉身處本願寺時下手,而非讓嫌疑落在自己身上的安土。

掛けられた嫌疑に対して信長は、暗殺するつもりなら自分に嫌疑の掛かる安土ではなく、頼廉が本願寺に居る時を狙う。

他甚至斷言,根本不認為頼廉是即使暗殺也必須除去的存在。

そもそも頼廉を暗殺してでも除かねばならない存在だと思っていないと言い放った。

又說若他有意,連在本願寺本據地也能暗殺頼廉,這番話反而以逆說否認了暗殺的嫌疑。

自分がその気ならば、本願寺の本拠地ででも頼廉を暗殺出来ると言い放ったことで、逆説的に暗殺の容疑を否認してみせたのだ。

本願寺對此大為困惑,無法再繼續追究下去。

これにはさしもの本願寺もほとほと困り果て、これ以上追及することが出来なくなった。

失去以頼廉為首、主張維持本願寺存續的溫和派後,以教如為首主張對織田徹底抗戰的強硬派躍居本願寺主流。

そして、頼廉という本願寺存続を願う穏健派の筆頭を失ったことで、織田との徹底抗戦を唱える教如をはじめとした強硬派が本願寺の主流派に躍り出た。

對長期和解感到厭倦的教如等強硬派,開始轉向讓與織田家的緊張升高。

暫く続いた融和に飽いた教如達強硬派は、織田家との緊張を高めるよう舵を切った。

信長為尋求妥協仍持續給顕如寫親書,要求對話,但那些信件全被教如扣留並毀棄。

信長は互いに妥協点を探るためにも話し合いが必要だと、顕如宛に親書を送り続けたが、その悉(ことごと)くを教如が握りつぶしてしまった。

即便事態發展到此,本願寺法主顕如仍不表明意向,只是沉默地觀望事態發展。

ことここに至っても本願寺法主である顕如は、自らの意向を示そうとはせず、ただ黙して成り行きを見守っていた。

教如對顕如不譴責自己的態度眉頭一皺,但又自我安慰地將沈默解釋為默許,迅速把不滿拋諸腦後。

相応に横車を押している自覚はあるのか、教如は顕如が自身を咎めないことに眉をひそめたが、沈黙は容認の証拠と都合よく解釈し、すぐに意識の外へと追いやった。

與行動積極、強硬對抗的教如形成對照,信長則始終保持理性。

精力的に行動し、強硬に反発する教如の姿勢とは対照的に、信長は何処までも理性的であった。

他一方面否認暗殺說,另一方面在領內下令動員搜尋頼廉,並指示對前來請求尋找頼廉的本願寺信徒給予方便。

頼廉暗殺説を否定すると同時に、領内に動員をかけて頼廉の捜索を命じ、この件に関しては頼廉捜索を願い出る本願寺信者にも便宜を図るよう申し付けた。

教如高聲主張應當誅殺信長,但本願寺內部的反應並不熱烈。

信長を誅戮(ちゅうりく)すべしと声高に唱える教如であったが、それに対する本願寺内部の反応は芳しくなかった。

首先法主顕如仍未表態;其次沒有確鑿證據證明頼廉是死於信長之手,因而許多人對敵對舉動猶豫不決。

第一に法主の顕如が未だに意向を示していない。第二に頼廉が信長の手によって亡き者にされたという確たる証拠がないため、敵対を躊躇する者が多かった。

即便教如是顕如的親子,在現任法主的意向不明的情況下,也令人忌憚於在這種情況下聽從他的命令。

幾ら教如が顕如の実子とはいえ、現法主の意向が定かではない状態で、彼の命に従うのは憚(はばか)られた。

雖然頼廉確實失去消息,但尚無發現遺體或隨身物品的報告。即便頼廉已死亡,也沒有證據顯示是織田所為。

頼廉が消息を絶ったのは事実だが、未だ死体や持ち物が見つかったという報せはない。よしんば頼廉が死んでいたとして、それが織田の手に拠るものだという証拠もない。

說安土已成為探查信長動向的間諜熔爐也不為過。

何せ安土は信長の動向を探るため、間者の坩堝(るつぼ)と呼んでも過言ではない状況となっている。

也不能排除有其他勢力為了挑撥織田與本願寺而綁架頼廉的可能性。

織田と本願寺とを争わせるため、他勢力が頼廉を攫ったという可能性も捨てきれなかった。

在那樣的背景下,無論教如如何煽動戰意,仍是吹笛子也沒有人起舞的局面持續著。

そうした背景もあって、いくら教如が戦意を煽ろうとも、笛吹けど踊らずという状態が続いていた。

「我認為先失去耐心的會是教如。但不是現在。不管教如多麼輕率,在這種情況下若採取強硬路線,恐怕會被親信或內部除掉。」

「先に痺れを切らすのは教如だと思うよ。でも、それは今じゃない。如何に教如が軽率でも、流石にこの状況で強硬策を取ったら、身内に消されかねない」

靜子根據派去打探本願寺情況的間者帶回的信息,一開口就在軍議上宣布。

本願寺の様子を探らせていた間者が持ち帰った情報をもとに、静子は軍議の場で開口一番宣言した。

眾人似乎也透過定期召開的軍議掌握形勢,沒有人反駁靜子的意見。

皆も定期的に催される軍議によって情勢を把握しているのか、静子の意見に反論する者は誰もいなかった。

連以戰場嗅覺判斷局勢的長可也點頭表示理所當然。

いくさ場での嗅覚という本能寄りの能力で状況を把握する長可ですら、当然だと言わんばかりに頷いている。

「法主顕如為何保持沈默不得而知,頼廉失踪的發展也難說,但如果要開戰,應該會在東國征伐之後吧?」

「法主である顕如が沈黙を保っている理由が不明なのと、頼廉の失踪がどう転ぶかは判らないけど、いくさになるとしたら東国征伐後になるんじゃないかな?」

「交給我!本願寺那種東西,隨時都能一舉打倒!」

「任せろ! 本願寺なんぞ、いつでもぶっ飛ばしてやる!」

只要提到可能開戰,長可就把握起的拳頭砸在手掌上,流露出戰意。

いくさになる可能性に言及しただけで、長可が握った拳を手のひらに叩きつけて戦意を滲ませる。

「不,所以說先要等東國征伐完成啊」

「いや、だから先に東国征伐が待っているってば」

「東國嗎……武田已經衰落,北條也孤立了不是嗎……」

「東国って……武田は既に落ち目だし、北条は孤立してるじゃないか……」

聽到東國征伐,長可明顯皺起眉頭。武田已不復往日氣勢,雖然仍在增強軍備,但看不出有足以圖奪國土的餘裕。

東国征伐と聞いた長可は露骨に眉を顰(ひそ)める。武田にかつての勢いはなく、依然として軍備増強に励んでいるようだが、国盗りに動ける程の余裕は見受けられない。

德川家與武田長期在邊境上小規模摩擦,但自三方原之戰之後連那種小衝突也已停止。

長らく武田と国境(くにざかい)での小競り合いを続けてきた徳川家だが、三方ヶ原の合戦以降はそうした小競り合いすらも絶えていた。

「有句諺語說『窮鼠咬貓』,被逼到絕境的人有時會做出意想不到的反擊喔?」

「『窮鼠(きゅうそ)猫を噛む』という諺があるように、追い詰められた者は予想外の反撃をすることがあるよ?」

「那也挺有趣,但我不覺得那種火場發揮的蠻力會持久。」

「それはそれで楽しみだが、そんな火事場の馬鹿力が長続きするとは思えねえ」

「期待戰事無妨,但別忘了我們真正的目的。」

「いくさを心待ちにするのは構わぬが、本来の目的を忘れるでないぞ?」

才蔵責備了把主要目的變成打仗的長可。或許覺得確實太離題,長可沒有爭辯便收斂了。

主目的が戦うことになってしまっている長可を才蔵が窘(たしな)める。流石に脱線しすぎたと悟ったのか、抗弁することなく長可は引き下がった。

「變數太多,這不會是場輕鬆的戰役。視北條仍未表態的行動而定,越後盤踞的親北條派加上武田勢力,可能會發動大規模反抗。」

「不確定要素が多いから、そうそう楽ないくさにはならないよ。未だに旗幟を示さない北条の行動次第では、越後に巣くう親北条派と、武田家の勢力も加えた大規模反抗もあり得るんだから」

「那不就是上杉存在的目的嗎?」

「そうさせない為に、上杉が居るのでは?」

「假如在東國征伐中與武田開戰,我想上様也會請上杉參陣。既然背負著本願寺這種不安要素,早期了結將被列為優先處理。」

「仮に東国征伐で武田と戦端を開いた場合、上様は上杉にも参陣を要請すると思うの。本願寺と言う不安要素を抱える以上、早期決着は他に優先されるからね」

「原來如此。越後之龍若離開家中,那個空檔正好讓北條拉人進來起兵起事……」

「なるほど。越後の龍が家を空ければ、その隙に北条の手勢を引き入れて蜂起するか……」

曾經雄踞東國的武田衰落後,東國三大勢力上杉、武田、北條的力量關係已由上杉稍勝一籌。

東国の雄であった武田が凋落し、東国三大勢力の上杉、武田、北条の力関係は、上杉が一歩抜きんでた形になっている。

然而,這種差距若武田與北條聯手便可能被逆轉,差距並不大。

しかし、その差は武田と北条が手を組めばひっくり返る程度の差でしかなかった。

「若最壞情形——與武田、上杉、北條的聯軍對陣——成真,那時東國征伐就算失敗了。到那時,首要任務是把奇妙大人脫離送往織田領避難。」

「仮に最悪の場合、つまり武田、上杉、北条の連合軍とことを構えることになった場合、その時点で東国征伐は失敗していると思うの。その時は、奇妙様を織田領へと逃がすことを最優先しないとね」

「把他們一網打盡反將一軍不就好了嗎?」

「纏めて返り討ちにしてやれば良いんじゃないのか?」

「不論能否做到,若只是武田與北條那樣做還行,但牽扯到上杉就會引發政治問題。就算他們反旗反叛,也不能在不給申辯機會下將其滅口,否則會與曾一同作戰的上杉軍結下嫌隙。這種不必要的紛爭之種,盡量不要留下。」

「出来る出来ないは別にして、武田と北条だけならその理屈で構わないけど、上杉が絡むと政治的な問題が発生するのよ。反旗を翻したからと言って、申し開きの場も与えずに皆殺しにすれば、共に戦ってくれた上杉軍との間に確執を生むことになる。そうした余計な不和の種は、なるべく抱え込まないようにしたいんだ」

「嗯。勝敗乃兵家常事。大損前撤退無可厚非,但被攻擊而不還擊也不是辦法吧?」

「ふーん。まあ、勝敗は兵家の常。大損害になる前に撤退するのは良いけど、だからって攻撃されて反撃しない手はないよな?」

長可在靜子的話下露出不安的微笑,並拋出問題。周遭似乎都懂他話裡的意思,沒有人去阻止他。

静子の言葉に長可が不穏な笑みを浮かべつつ質問を投げる。周囲は長可が言わんとするところを理解しているのか、彼を止めようとするものはいなかった。

靜子察覺所有人的目光都集中在自己身上,清了清喉嚨後開始說話。

全員の視線が自分に集中していることを理解した静子は、一つ咳払いをすると言葉を発した。

「關於上杉就得看上樣的意思,但其他的事情,落到我們頭上的火粉只能去払消吧」

「上杉に関しては上様のご意向次第だけど、それ以外については降りかかる火の粉は払うしかないよね」

「就是該這樣!」

「そうこなくちゃな!」

事實上得到默許宣言後,長可滿意地點了點頭。明明殿(後衛)會承受最大損失,卻反而戰意高昂,周遭的人見狀苦笑。

事実上の容認宣言を受け、長可は満足げに頷いた。殿(しんがり)は最も損害が大きくなるというのに、むしろ戦意が高揚する長可の姿を見て、周囲の者たちは苦笑していた。

「那麼,大致方針已定,暫時也不用急著做什麼。奇妙大人依舊在買入糧草,我估計東國征伐的號令即將下達。在那之前,各自養精蓄銳吧」

「さて、おおよその方針は固まったし、急ぎ我々が何かをしなければならないこともない。奇妙様は相変わらず兵糧の買い入れをしているし、東国征伐の号令は近いと思う。それまでは各自、鋭気を養って下さい」

靜子認為必要的情報已經共享,於是以此話結束了軍議。

必要な情報は共有できたと考えた静子は、この言葉を以て軍議を終えた。

以頼廉失蹤為契機,織田家與本願寺之間帶著緊張再度陷入膠著狀態。

頼廉失踪を機に緊張を帯びた織田家と本願寺との関係は、再び膠着状態に陥っていた。

短暫平靜告終的,是從眾人絕對想不到之處傳來的一則消息。

束の間の平穏に終わりを告げたのは、誰しもが予想だにしなかった地から届けられた一報だった。

在德川領地內,能最早察覺甲斐、相模動向的要衝高天神城遭到武田軍攻入。

徳川領にあって、甲斐、相模の動向をいち早く察知しうる要衝の地、高天神城へと武田軍が攻め込んだのだ。

幸好沒有失守,但守備側僅二千人,武田軍卻以超過萬的兵力將其包圍。

幸いにして落城を免れてはいるものの、守備側二千に対して武田軍は万を超える軍勢で包囲していた。

德川也察覺到武田在備戰,卻抱有不能把龐大軍隊派往他國的那種鬆懈心態。

徳川とて武田がいくさの準備をしているのは把握していたが、とても大軍を他国へと派兵する余裕はないという油断があった。

事態已超出德川一國,甚至威脅到織田家的安全。家康向信長求援,信長回應,派信忠為大將的東國征伐軍前來。

既に事態は徳川一国を超え、織田家の安全をも脅かす状況となった。家康は信長へ救援を求め、信長はこれに応じて信忠を大将に据えた東国征伐軍を遣わせた。

雖是誰也料想不到的事態,卻已經準備周全的東國征伐軍奉信長之命,即日從尾張出發,眨眼間攻向圍住高天神城的武田部隊。

誰もが予想し得ない事態であったにも関わらず、準備万端の用意が整っていた東国征伐軍は信長の命を受けて、即日尾張を発つと瞬く間に高天神城を包囲する武田軍の部隊に襲いかかった。

原以為敵人困於包圍之中的武田軍,遭遇突如其來的急襲後陣腳大亂,解開包圍向自軍陣地撤退。

敵は包囲の内にあると考えていた武田軍は、予想外の急襲を受けたことに算を乱し、包囲を解いて味方の陣へと退却していった。

將武田軍一掃而散的東國征伐軍,將一部分部隊送入城內,其餘在城外布陣。

鎧袖一触に武田軍を蹴散らした東国征伐軍は、部隊の一部を城内へと送り込み、それ以外は城外にて陣を敷いた。

織田軍如疾風迅雷趕到後,德川軍才合流,於大將信忠的陣營開會商議。

疾風迅雷の如く駆けつけた織田軍に遅れて、徳川軍が合流すると、大将である信忠の陣にて軍議が開かれることとなった。

「承蒙在我等危難時這麼快趕來,感激不盡。從偵察回報中有人看到武田軍後方有北條的旗號,若他們聯手,情勢可就複雜了」

「我らの窮地にこれ程までに早く駆けつけて頂き、かたじけない。物見からの報告によると、武田軍の後方に北条の旗指が見えたとのこと、奴らが手を結んだとなれば一筋縄では行きませぬ」

「原本奄奄一息的武田能夠起死回生一擊,也多虧北條的援助。他們若此處不能分得地盤,恐怕不久便將面臨滅亡,絕非可小覷之敵」

「死に体であった武田が起死回生の一打を打てたのも、北条の支援あってのことでしょう。奴らもここで領地を切り取れねば、遠からず破滅が待っていることは理解しているはず。決して侮って良い相手ではありませぬ」

對上經驗老到的家康,信忠實戰經驗稀少,年歲也差了十足一輪以上。

歴戦の古強者である家康に対し、信忠は実戦経験も乏しく、歳も一回り以上も離れている。

不過因為緒戰獲得戰果,信忠也在與能與父比肩的國人面前,堂堂地答辯了。

緒戦で成果を上げたことも手伝って、信忠は父と肩を並べる国人を相手に堂々たる受け答えをしてみせた。

緒戰是只先行派出腳程快的部隊,從敵後急襲奪取勝利。但從此以後,兩軍將圍繞城池相對在野戰中決勝負。

緒戦は脚の速い部隊だけを先行させ、敵軍の背後を急襲することで勝利をもぎ取った。しかし、ここからは城を挟んで両軍が向かい合う野戦が舞台となる。

至今仍有陸續腳程緩慢的兵站部隊等趕來。敵軍包圍之際,能送入城內的部隊很少。

今も続々と兵站部隊などの脚が遅い部隊が合流してきている。敵軍が包囲する中、城内へと送りこめた部隊は少ない。

如何編成軍隊,並與城內部隊如何協同作戰,成為當前課題。

どのように軍を編成し、城内の部隊とどのように連携して戦うかが課題となる。

(先鋒由德川,其後織田跟進攻入,對吧)

(先陣は徳川、その後に続くよう織田軍が攻め込む、か)

軍議結果,先切入武田軍的是德川軍,織田軍將以追隨形態跟進。織田雖為援軍,想必也自負東海的國人仍歸德川之下。

軍議の結果、最初に武田軍へ切り込むのは徳川軍。それに続く形で織田軍が追随することとなった。織田軍は援軍であり、あくまでも東海の国人は徳川であるという自負もあるのだろう。

信忠也不能讓德川丟面子,於是接受了家康的提案。

信忠としても徳川の面子を潰すわけにもいかず、家康の案を了承した。

「經軍議決定,由德川軍擔任先陣,我等則擔任遊擊隊的角色」

「さて軍議の結果、徳川軍が先陣を務め、我々は遊撃隊としての役割を担う事となりました」

「好!先鋒交給我!」

「よし! 先鋒は俺に任せろ!」

聽到遊擊二字,長可馬上舉手請纓。遊擊隊不需與其他部隊步調一致,能在一定程度上依自己裁量行動,正合長可胃口。

遊撃という言葉を聞いた長可が、真っ先に名乗りを上げた。他の部隊と歩調を合わせる必要がなく、ある程度独自の裁量で動ける遊撃部隊は長可の好みに合致していた。

慶次比起作為遊擊隊奇襲,更喜歡正面比力,才藏則為了護衛靜子而留在本陣。

慶次は遊撃部隊として奇襲するよりも、真正面からの力比べを好み、才蔵は静子を護衛する任のため本陣に残る。

遊擊隊需機動力,因此包含間者在內、軍中多為步兵的真田昌幸也將留守。

遊撃部隊には機動力が求められるため、間者を含め軍の殆どを歩兵が占める真田昌幸もまた残留となる。

另外,足滿與高虎為了防備本願寺而留在尾張,故不參加。

尚、足満と高虎に関しては本願寺に対する備えとして、尾張に残っているため、不参加であった。

「既然沒有反對意見,武田之攻的先鋒隊就拜託勝藏君了」

「反対意見もないようだし、武田攻めの先鋒隊は勝蔵君にお願いするね」

「我要狠狠扇他們一耳光!」

「横っ面を思い切り殴りつけてやろう!」

「……適可而止。太深入會被包圍,況且遊擊隊戰果超過本隊也會成問題」

「……程々にね。あんまり深入りすると囲まれるし、何より遊撃隊が本隊よりも戦果を上げるのは問題だからね」

於戰場上立功本是好事,但在此情況下,主角還是德川軍。

いくさで手柄を立てるのは良いことだが、この場に限れば主役は徳川軍となる。

若能奪回此地並趁勢追擊敵軍,將有新的活躍場面,因此現在沒必要逞強。

ここを奪い返した後、敵軍を追撃する場になれば、新たに活躍の場が与えられるのだから、今無理をする必要性は薄い。

「就算是遊擊隊也不會去敵陣特攻。只是要讓只盯著德川軍的那雙愚鈍眼睛醒過來罷了」

「流石に遊撃隊で敵陣特攻なんてやらないさ。徳川軍だけを見ている間抜けの目を覚まさせてやるだけだ」

「若你懂得這一點就沒問題。囉嗦也沒用,接下來交給各自判斷」

「そこを理解しているなら問題ないよ。あまりくどくど言っても始まらないから、後は各自の判断に任せます」

靜子自言自語道,帶著政治介入的戰爭實在麻煩。

政治が絡んだいくさは面倒だと静子は独り言(ご)ちた。

軍議聽得的情報確定有北條軍混入,但他們若呼應,上杉家中親北條派會如何行動則無法預測。

軍議の場で得た情報では、北条軍が混じっているのは確実だが、彼らに呼応して上杉家中の親北条派がどのように動くか予想できない。

從讓信忠學會敗北這個目的來看,容許武田與北條的兩正面作戰是可以接受的。判斷戰局的關鍵在於上杉的動向。

信忠に敗北を学ばせるという目的からすれば、武田と北条の二正面作戦までは許容できる。戦局を判断するには上杉の動向がカギを握る。

由於謙信留駐越後,上杉家內的動向已經完全難以捉摸。

上杉家内の動向は、謙信が越後に在留しているため、全く読めない状態になっていた。

有人認為視北條暗中支援的程度,甚至可以將謙信排除嗎?

何かと暗躍している北条の支援次第では、謙信すらを排することが出来ると考えているのか?

還是認為僅靠武田與北條的聯軍就能制伏德川?

それとも武田、北条連合軍だけで徳川を制することができると踏んでいたのか?

在各勢力的算計交錯之處,將會編織出怎樣的歷史,已經再也無人能預測。

それぞれの勢力の思惑が交差するこの場で、どのような歴史が紡がれるのか、それは最早誰にも予測することが出来なくなっていた。